Kindle書籍刊行のお知らせ


ドイツ車のDIYメンテナンスについて、書籍にまとめました。本ブログで紹介している具体的なメンテナンス方法に留まらず、ドイツ車の思想、整備のポイントをまとめ、メンテナンスに必要な工具類の紹介、部品調達の実例紹介、メンテナンス対象の油脂類や部品の劣化メカニズムまでを紹介しています。

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タイヤ空気圧のこまめな調整

安全

 クルマには、タイヤやブッシュ類といったゴム製品が多用されています。これらはエンジンや路面からくる不快な振動を減衰させるなど乗り心地の向上に大きく貢献する一方で、クルマの操作のために加えた入力 (ハンドルをきる、ブレーキを踏んで荷重を動かす等)をも吸収してしまうため、操作性をいくらか損ねてしまうことになります。
 それを嫌うマニアな方々は、サスペンションとボディーの連結部からゴム部品を排除したり (ブッシュをゴム製から金属製のピロボールに変更)、扁平率の低いタイヤに交換し、路面からダイレクトに伝わる振動(≒不快感)と引き換えに、ダイレクトな操作性を享受されているようです。

 操作性を追求するマニアでなくとも、扁平率の低い薄いタイヤはファッション性に優れるため、純正タイヤから履き替えられる方も多く、私もその一人です。
 扁平率は「タイヤの高さ÷タイヤの幅×100」で定義され、タイヤの幅が同じであれば低扁平率のタイヤはその高さが低い、つまりタイヤ内に保持できる空気の体積は小さいことになります。

 理想気体の圧力、体積、温度の関係は、高校の物理の授業でおなじみのボイル・シャルルの法則で記述されます。これはPV = nRT (P:圧力、V:体積、n:気体の物質量、R:気体定数、T:温度)で、タイヤ内部に閉じ込められた気体に適用すれば、扁平率の低い、つまり内蔵気体の体積が小さいタイヤの方が温度変化に対する圧力変動が大いということがわかります。

注)
nとRは一定値ですので、これらの積をα (定数)とおきます。
すると、PV = α T。
仮に、高扁平率タイヤの内部体積を5、低扁平率タイヤのそれを2としましょう。
温度Tの変化 (ΔT)を10とした場合、高扁平率タイヤ、低扁平率タイヤの圧力変化、ΔP(高扁平率)、ΔP(低扁平率)は、
 ΔP(高扁平率) x 5 = α x 10 ⇔ ΔP(高扁平率) = 2 α
 ΔP(低扁平率) x 2 = α x 10 ⇔ ΔP(低扁平率) = 5 α
つまり、同じ温度変化に対して低扁平率の方が圧力変動が大きい、と導けます。

 私の経験上、扁平率が35程度のタイヤでは夏場の朝晩の気温変化でも内部圧力に変化が見られるレベルで、例えば真夏の炎天下に空気を入れたのち、ちょっと涼しくなった秋口に高速道路に乗ることは非常に危険な状態といえます。タイヤの空気圧が低いと、バーストを引き起こす危険性が格段に高まるからです(低空気圧とバーストとの関係は、次回以降に譲ります)

 おしゃれな低扁平率のタイヤに交換されている方は、少なくとも2週に1度はタイヤの空気圧をチェックし、安全を確保するとともにその高性能なポテンシャルを充分に引き出しましょう!

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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