Kindle書籍刊行のお知らせ


ドイツ車のDIYメンテナンスについて、書籍にまとめました。本ブログで紹介している具体的なメンテナンス方法に留まらず、ドイツ車の思想、整備のポイントをまとめ、メンテナンスに必要な工具類の紹介、部品調達の実例紹介、メンテナンス対象の油脂類や部品の劣化メカニズムまでを紹介しています。

kindle unlimitedで無料ダウンロードしてご覧ください。

詳細はこちら

ウォーターポンプ、サーモスタットの交換 -BMWの定番鬼門の予防整備-

修理・点検・メンテナンス
古いウォーターポンプとサーモスタット。お疲れさまでした。

 昔から、水回りはBMWの鬼門だとよく言われます。

 水回りを構成する代表パーツは、①ラジエター、②ウォーターポンプ、③サーモスタット、④エクスパンションタンク、⑤各種ホース類、⑥クーラント、ですが、どのパーツを交換するにしてもクーラントを排出せねばならないため、可能な限り多くのパーツを同時に交換した方が効率がよいです。
 とはいえ、水回りを整備するのは今回が初めてということもあり、まずは②ウォーターポンプと③サーモスタットの交換を試みることにしました。

 水回りが故障すると、自力でそれ以上走行することができません。ですので、壊れてから直すのではなく壊れる前の予防整備が基本となりますが、ウォーターポンプとサーモスタットは走行100,000㎞を超えるといつ壊れても不思議でないパーツとして有名です。私のF10の走行距離ははや120,000㎞オーバー、水回り整備のデビュー戦としてはちょうどいいタイミングでしょう。

 今回の整備でも、レンタルピットの2柱リフトをお借りしました。結構な力を加えねば外れないパーツも多く、ガレージジャッキ+リジッドラックの組合せで寝転がって作業するよりもはるかに効率的だと判断したからです。

 実際に、クルマを何度も何度も上げたり下げたりしながら、上から外すべきか?下から外すべきか?等々検証する必要がありましたし、翌日筋肉痛になるくらいの馬鹿力が必要な場面も度々でしたので、2柱リフトを使ったのは正解でした。次回も、必ずそうすると思います。

 まずは、クーラントの温度が充分下がるまで待機します。この間に、私はデフオイルの交換やオイル交換、エコオイルチェンジャーの装着(すぐに内容紹介します)をしました。

 頃合いを見て、クーラントを抜きます。

 BMW F10の場合、クーラントのドレンプラグはついていません。ですので、ラジエターのロアホースを引き抜いてクーラントを排出します。多くの水回りのホースやセンサー類の固定に共通の、金属クリップのロックを外せば抜けるタイプの固定方法で留められていますので、このロアホースはカンタンに引き抜くことができます。ロアホースを抜いたらクルマを下ろし、エキスパンションタンクの蓋を開けます (BMW F10に、ラジエターキャップはついていません)。

 6Lほどのクーラントが抜けました。このクルマのクーラント総量は8Lですので、実に3/4ものクーラントを抜くことができるわけです。

 クーラントの、新旧比較。
 前回交換したのは、4年前。このクルマはクーラント交換は不要といいますが、しっかし、キッタネーな・・・・。やっぱり、車検毎に交換することにしよう・・・。

ボトルに入った青いのが新しいクーラント。バケツに入った茶色いのが古いクーラント。どちらもWako’sのパワークーラントです。

 前回ショップで交換してもらったときに入れたクーラントは名門Wako’sのパワークーラント、今回も同じものを入手しました。このパワークーラントの販売単位は20L、この量はサンデーメカニックの私には多すぎます。そこで、この裏技で6Lだけを小分け販売してもらいました。

 クーラントが抜けたら、ウォーターポンプを外します。ポンプ摘出の邪魔になるので、アンチロールバーの固定を外し、ぶら下がらせておきます。

 ポンプを固定する3つのボルトを外します。下2つは容易ですが、見えない位置にある上1つを外すのが第一の難関だと各サイトで紹介されていましたが、F10 528の場合は(見えないことを除けば)それほど苦も無く外すことができました。

 あとは、ポンプにつながるエレクトリックコネクタ1つと、2本のホースを外せばポンプを摘出できます。ホースを固定するクランプのネジはマイナスドライバで緩められますし、ホースが固着しているということもありませんでした。

外したポンプ(上)と新しいポンプ(下)
ポンプを外したところ。ポンプにつながる2本のホースが見えます。

 でもね・・・。

 ホースを外そうとこじるとホースとポンプに隙間ができますが、そこから相応の量のクーラントが漏れ出し腕を伝って脇からTシャツに侵入。キモチ悪いったらありゃしない・・・。

 続いて、サーモスタットを外しましょう。私の場合、ポンプよりもサーモスタット外す方がはるかに手こずりました。

 まず、サーモスタットにつながるホースを全て外します。確か5本のホースがつながっていましたが、うち1つはバネ式クランプ、もう1つはねじ式クランプです。これらのクランプで留められたホースを抜くのに若干苦労しましたが、残りは例の金属クリップ式で固定されており、それらを外すのは容易でした。

 それから、サーモスタットをブラケットに留めているネジを1本外します。これはトルクスネジですが、サーモスタットとのクリアランスが狭いため、私が多用している9.5mmサイズのソケットでは回せません。6.35㎜サイズのソケットが必要です

 余談ですが、バルブトロニックのモーターを外すのにも6.35㎜サイズのソケットが必要です。以前、エンジンをばらしたあとで6.35㎜サイズのソケットが必要と分かり、片道10㎞超のアストロプロダクツへの道のりを泣く泣く自転車で往復したことがあります・・・。その時に買った工具が、今回も役に立ちました!!

 あとは、サーモスタットを外します。最初は優しく揉んでいましたが、一向に外れる気配がありません。ついにはホースの穴に指を突っ込み右にグリグリ、左にグリグリ、上にグリグリ、力を込めて刺激を与えることでようやく外すことができました。ここが、一番タイヘンだった~~。

外したサーモスタット(下)と新品(上)。外したサーモスタット左についているホースは新品に移植します。このホースをラジエターから抜くのが、一苦労でした。

 一般的に、ばらすことより元に組みなおすことの方がカンタンです。ばらすときにだいたいの勘所がわかっているから、組みなおすときは比較的容易なのです。そう、今回も作業自体は組みなおす方が要領を得ていたのですが、サーモスタットを外すときのグリグリ作業で指先がすぐにつってしまうような状態になっており (普段、まったく力仕事をしないからね・・・)、ネジ1本締めるのに何十分もかかってしまう始末・・・。

 すべてのパーツを装着し、ホース、エレクトリックコネクタをつなげたら、新しいクーラントを注入します。注入後は、以下に示した要領で冷却系統のエア抜きをします。このウォーターポンプはモーター式なので、昔のようにエンジンをかけるのではなく電流でポンプだけを作動させてエアを抜きます。

 書けば上記の如くあっさりとした作業なのですが、途中昼食をはさんだりしながらもタップリ4時間ほどもかかってしまいました。

 とはいえ、無事終了。

 走行100,000㎞過ぎたら予防交換すべきパーツの代表格がウォーターポンプ、サーモスタット、フューエルポンプの3点ですが、これらの予防交換がすべてDIYで完了し、満足感、安心感でイッパイです!

後日談・・・

安心感でイッパイです!なんて書いてしまいましたが、水回りではもうひとつ、ゼッタイに交換しておくべきパーツがありました。それは、エキスパンションタンクです。これは内圧が高圧になるにもかかわらずプラスティックでできており、いくつかのパーツが溶着で留められています。古くなるとプラスティックが割れたり、溶着部分からクーラントの蒸気が漏れ出すという魔の部品です。この記事の執筆後、一応は予防整備のつもりで交換したのですが、取り外してみるともう寿命寸前でいつ壊れても不思議ではない状態でした。水回りの部品交換ではクーラントの交換が必須となりますので、できるだけ一度に多くの部品を交換してしまうのがベターです。

 フューエルポンプの交換記は、こちらをご参照ください。

 その他の定期メンテナンスメニューは、こちらでご紹介しています。

 

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

* いいねボタンでのご評価をお願いいたします!
*よりよいページにするために、皆様からのコメント、アドバイス、リクエスト、ご質問等々を大歓迎いたします。ページ下部のコメント欄から、ぜひお寄せ願います!

コメント

タイトルとURLをコピーしました