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飴色玉ねぎに潜む化学 

グルメ

 トロットロの飴色玉ねぎは、カレーをはじめとした料理をおいしくする隠し味として重宝される一方、難しいとか時間がかかるとかいった難点があるようです。

最初こんな玉ねぎが・・・
このようにおいしく変化します!

 玉ねぎをスライスして火にかける、焦がさないようにと注意しながらひたすらかき混ぜる、これを繰り返せば、玉ねぎがあの飴色玉ねぎに変化するのでしょうか?

 これに対しては、NoではないもののYesとも言い難いです。恐らく、加熱開始から時間がたつにつれ玉ねぎはパサパサになり、鍋にこびりついた何某かの成分にパサパサ玉ねぎがからめとられ鍋にくっつき、ついには黒焦げに焦げ付いてしまうでしょう。

 ではどうすればよいのか?

 加熱により飴色玉ねぎを生成する過程で起こる2つの化学反応を知ると、その方法を明確に理解することができます。

 一つは①カラメル化反応、もう一つは②メイラード反応です。

 いずれも、複数の物質が関与する複雑な反応群の総称として付けられた名称であり、個々の反応の詳細はいまも解明されていないことが多いようです。

① カラメル化反応
 糖を加熱すると起こる反応で、糖が褐色に変化します。カラメル化した糖は鍋底に張り付き、放置すれば焦げ付いてしまいます。ただし、カラメル化物は水溶性ですので、水を加えれば溶解して鍋から剝がれ、玉ねぎに戻ります。
 カラメル化によって生じた褐色は飴色玉ねぎの構成色の一つとなり、カラメル化した糖のほろ苦くも甘い香りは飴色玉ねぎのおいしさの秘密の一つとなります。

② メイラード反応
 加熱によって料理をおいしくする、という場面では必ずといっていいほど登場するのがこのメイラード反応です。これは、食物に含まれる還元糖とアミノ化合物が熱によってメラノイジンに変化する反応です。メラノイジンは褐色で、様々な香味を伴います。上記の通りメイラード反応は複雑で、生じる香味は反応に供せられるアミノ化合物種や温度によってさまざまに異なります。成分の詳細を化学的に解明できてはいないものの、この香味こそが飴色玉ねぎのおいしさのもう一つの要素となります。また、飴色玉ねぎの褐色のもう一つの構成色がメラノイジンです。

 上記から、飴色玉ねぎの褐色はカラメル化反応とメイラード反応の賜物とおわかりいただけるかと思いますが、注意いただきたいのはこの褐色と焦げは別物だということです。焦げはこれら糖類を伴う化学反応とは全く別物の、有機物が炭化する現象であり、いいかえれば、2つの反応をどれだけ進行させても真っ黒な焦げにはなりません。つまり、褐色が焦げの手前のサインというわけではありませんから、褐色になったからといってあわてて火を弱める必要はないのです。

 さて、最後にこれら2つの反応をうまく制御し飴色に輝く玉ねぎを作る方法を伝授しましょう。

 加熱によって玉ねぎ内部から液が溢れ、それに含まれる糖がカラメル化反応を起こし鍋底にカラメルがくっつき始めます。同時に液中の水分が蒸発し、玉ねぎがパサパサになり始めます。

 このタイミングで、玉ねぎ全体にいきわたるくらいの水を加えてください。すると、鍋底にこびりつかんばかりのカラメル成分は水溶性ですから水に溶解し鍋から遊離、炒めている玉ねぎの中に戻ります。また、玉ねぎ全体が水に包まれることで均一に加熱されるようになります。

なべ底にこびりついているのが、カラメル化物です
そこに水を加えれば、カラメル化物が水に溶解し
玉ねぎに戻り、飴色を増します

 ただし、水に浸った物質の温度は100℃を越えませんので、この状態、つまり玉ねぎを煮た状態を長く続けていてはカラメル化反応、メイラード反応のいずれも進行しません。なぜなら、これらの反応は150℃以上の温度領域で進行するものだからです。ですから、ゆっくりと水分を蒸発させ、煮る状態 (100℃)と焼く状態 (100℃以上)が両立する状態を保ちます。しかし、やがては水分が蒸発し切り、また鍋底にカラメルがこびりつきますので、そのタイミングでまた水を加えてやります。これを繰り返すことで、焦げつかせる、つまり炭化させることなく2つの反応を効率的に引き起こし、飴色に輝く玉ねぎを手に入れることができるのです。

 時短、つまりこのプロセスに要する時間を短縮する方法は2つあります。一つは加熱時に一つまみの塩を加えること、もう一つはスライスした玉ねぎをレンジで温めてから加熱することです。カラメル化反応、メイラード反応ともに玉ねぎ内部に含まれる糖やアミノ酸が反応に寄与しますから、時短のためにはこれら成分を早く、効率的に玉ねぎ内部から外部へと引き出す必要があります。前者は浸透圧によって、後者は玉ねぎ内部の液の沸騰によって、これらの物質を閉じ込めている細胞壁を壊して効率的に引き出すことができますので、時短になるわけです。

刻んだ玉ねぎを耐熱皿に入れ、うっすら透明になるまで電子レンジにかけます(500Wで4分程度)

 これらを理解して、綺麗な飴色玉ねぎを短時間でバッチリ作ることができるようになった私ですが、ひとつ悩みがあります。

 それは、カレーに使うこと、オニオンスープを作ること、以外にこの飴色玉ねぎをおいしく活用するレシピを知らないことです・・・。

 まさに、宝の持ち腐れ・・・。今度の週末、また本屋でレシピ本を立ち読みすることにしましょう。

*後日譚
サバの水煮をつまみに焼酎を吞んでいるとき、ふと、飴色玉ねぎが残ってたっけな、と想い出しました。サバの水煮に投入して食べてみると・・・・、うっ、うまいっ!!!
体にヨシ!、味ヨシ!となると、もう最強のつまみですね!飴色玉ねぎの作り甲斐を見付けました。

体にヨシ!、味ヨシ!の創作つまみ、サバの水煮 with 飴色玉ねぎ

 

 このブログはクルマの整備中心で、料理関係の記事は多くありません。でも、美味しいものを作ることは私の趣味の一つ、この記事によって多くの方が料理記事に興味を持っていただいていることがわかりましたので、今後充実させていこうと思います。その第一歩が、以下の記事です。

 

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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コメント

  1. クロコ より:

    本格的なカレーを作りたいんですが、飴色玉ねぎを作るのは苦手です。keiさんのレシピを発見し、人生初めて飴色玉ねぎが成功しました!感動しました!やはり料理は化学(笑 詳しい説明してくれて本当にありがとうございます。

    • Kei より:

      励みになるコメント、ありがとうございます!
      理屈がわかると、料理もより楽しくなりますね!
      できるだけ多くの方にご参考いただけるよう、今後も心がけます。
      引き続きのご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。

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