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BMW F10のクーラント(冷却水)交換手順

修理・点検・メンテナンス
冷却系のエア抜きではバッテリー充電器の接続が必要です

 クーラントはエンジン冷却水のことですが、有毒なエチレングリコールがその主成分です。環境保全の観点から長期耐久化がすすめられ、近頃では欧州車を中心に無交換でよいとされることも多くなってきました。

 しかし、4年間使用後と新品クーラントの見た目の比較をこちらにしておりますが、これだけの違いを見てしまうとどうしても定期的に交換したくなってしまいます。
 バケツに入った茶色い液体が4年モノ、焼酎のボトルに入った青い液体が新品です。

 とはいえ、定期に交換せずとも、水回りを構成するパーツを交換する際は必ずクーラントを抜くことになりますので、クルマを長く使い続けるうえでどこかのタイミングでは必ず交換されることになるから大丈夫、というレベルの考えでいるので構わないのかもしれません。

 BMW F10のクーラント交換ですが、留意せねばならぬポイントが2点あります。

 1つ目は、このクルマにはクーラントのドレンボルトがないことです。ですので、古いクーラントの排出にはラジエターのロアホースを引き抜きます。このホースは金属製のクリップでロックされていますので、クリップをずらしてからホースを軽くこじれば簡単に外すことができます (クイックカップリング)。BMWの以前のモデルではラジエター下部にプラスチック製のドレンボルトが装着されていたのですが、これがよく折れてしまうと悪評のようです。とすれば、すぐ折れるプラスチック部品など排してしまって、ただロアホースを引っこ抜いてクーラントを排出すればいいじゃん、という発想で改良されたのかもしれませんね。

2つ目は、エア抜きの手順が独特であるということです。といっても、難しいわけではなく、ずいぶんとラクなやり方です。このクルマのウォーターポンプはモーター駆動ですので、エンジンをかけることなくモーターだけを起動して放置しておけば、勝手にエア抜きが終わっています。
 下の写真は、エア抜き中のエキスパンションタンクの内部を撮影したものです。 写真左上から右下に向かってクーラントが押し出されているのがわかります。

 では、クーラント交換の手順を順に追っていきましょう。

  1. ラジエターロアホースを抜く
  2. エキスパンションタンクの蓋を開ける
  3. クーラントが排出されるのを待つ
    →クーラント容量は8Lですが、この方法で約6Lのクーラントが抜けます
  4. ラジエターロアホースを再接続し、エキスパンションタンクから新しいクーラントを注入する
    →TIS (Technical Information System)によれば、冷却系を真空に引いてからクーラントを注入するよう指示されていますが、大気圧のまま注入しても問題ありませんでした
  5. クーラントを規定量まで注入したら、エキスパンションタンクの蓋は開けたままエア抜きを行う
    エア抜きの手順を、下記に示します
    ①バッテリー充電器を接続する
    ②イグニッションをオンにする (ブレーキは踏まない)
    ③ヘッドライトのロービームをオンにする (ロービームがオフのままだと、エア抜き工程の途中でイグニッションがオフになってしまう可能性があるため)
    ④ヒーターを最高温度に、ブロアモーターを最低速度にセットする
    ⑤アクセルを10秒間床まで踏みつけ、足を離す
    ⑥もう一度アクセルを踏むと、エア抜き工程がスタートする
    ⑦約12分後に、エア抜き工程が終了する
    ⑧クーラントが減っていれば(減っているはずです)、maxレベルまで満たす
    ⑨エキスパンションタンクの蓋を閉める

 以上で、完了です。

 クーラントについて、私はどれだけの量が抜けるかわからなかったので、前回ショップで交換してもらったのと同じWako’sのパワークーラントを準備しました。素晴らしいクーラントだと思うのですが、プロ向けで販売単位が20Lであるのが難点です。裏技的に小分けで販売いただくことができましたが、クーラント総量9L中の6Lまでもが抜けるのであれば、必ずしも同じ銘柄のクーラントにこだわる必要はないのかもしれません。

 実は Wako’sのパワークーラントよりも純正クーラントの方がだいぶ安価で入手性もよいことがわかったので、次回以降は純正クーラント+精製水にしようと考えています。

*欧州車に国産車向けのクーラントを入れると壊れる、という噂がありますが、Wako’sのパワークーラントについてはBMWに入れても何ら問題ないということは和光ケミカル本社に確認済みです。同社本社の方によれば、欧州車に通常の国産車向けクーラントを入れても何ら問題ないということでした

*水道水について、日本は軟水、北欧の多くの地域は硬水です。純正クーラントは濃縮タイプですので水で薄める必要がありますが、硬水で薄めることを前提に作られているので日本の軟水で薄めたら壊れる、という噂もありますが・・・。これはただの都市伝説でしょう。カルシウムやマグネシウムといったミネラル成分の含有量が規定値よりも多いものが硬水、少ないものが軟水です。ミネラル分のような(クルマにとっての)異物は少ないに越したことはないでしょうから、軟水の方が希釈水としては適するはずです。心配なら、精製水で希釈すればよいでしょう。

 Amazonはかなりの種類のカーパーツを安価に販売していますが、BMWの純正クーラントもAmazonが最安でした。たいしてかさばるものでもなし、2本購入しトランクに常備しています。



 クーラントは定期交換のほか、冷却系の整備をする際は排出しなければならないため、交換を余儀なくされます。特に、BMWは水回り(冷却系)が鬼門とよくいわれますが、水回りについてこれまでに実施してきた整備のリンクを以下に示します。

 その他、BMWを快調に保つためのレギュラーメインテナンスについてはこちらにまとめています。ぜひご参照ください。

 

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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