Kindle書籍刊行のお知らせ


ドイツ車のDIYメンテナンスについて、書籍にまとめました。本ブログで紹介している具体的なメンテナンス方法に留まらず、ドイツ車の思想、整備のポイントをまとめ、メンテナンスに必要な工具類の紹介、部品調達の実例紹介、メンテナンス対象の油脂類や部品の劣化メカニズムまでを紹介しています。

kindle unlimitedで無料ダウンロードしてご覧ください。

詳細はこちら

湿式エアフィルター(K&N製)のメンテナンス

修理・点検・メンテナンス
純正のエアインテイクシステム全景

 エンジン内部で混合気を爆発させると、その体積が膨張します。これをピストンの上下運動エネルギーとして取り出す機関がエンジンで、膨張した混合気は排気ガスとしてマフラーから排出されます。混合気は気化したガソリンと空気の混合体であり、エアフィルターを通した空気がガソリンと混合されます。そう、走行中の粉塵やら昆虫やらが混合気に混ざらないよう、エアフィルターが使用されるのです。

 走行距離を重ねればエアフィルターは汚れますので、定期的なメンテナンスが必要になります。

 純正採用されている乾式の紙フィルターの場合は、メンテナンスはフィルターそのものを定期的に交換することです。使用環境や走行距離等にもよりますが、概ね2年に1度程度の交換が必要になるようです。
 下記のリンクは(純正ではなく)OEM品となりますが、純正互換の乾式紙フィルターです(楽天の価格をご参照ください)。



 私は、クルマの購入後すぐにエアフィルターをK&N社の純正形状湿式フィルターに交換しました。このフィルターのよいところは、メンテナンスキットで洗浄/オイル含侵の作業をすることで「何度でも」再生できる点にあります。メンテナンスキットの洗浄剤、オイルは10回以上もちますので、1年に1回の洗浄頻度であれば、初期投資(フィルター代+メンテナンスキット代)の費用で10年間も使い続けることができるわけです。

 Amazonや楽天ではF10 528i用のK&N湿式フィルターはもはや見つかりませんでしたが、私の購入価格は確か1万円強、これが経済的にどれほどのインパクトを与えるか、直ちにおわかりかと・・・、あ、あれっ?、改めてみると大した金額差ではありませんね、まぁ、廃棄物を減らすことができて地球にやさしい、ということで。。。フィルター形状は純正と全く同じですので、純正フィルターを外して入れ替えるだけでセット完了です。

 純正よりもK&Nフィルターの方が吸気抵抗が低くて馬力が・・・・、なんておっしゃるマニアな方々もいらっしゃるようですが、私は性能については純正も純正形状K&Nも大差ないように思います。

 下記のリンクに、およびメンテナンスキットを示します。ご覧のようにオイルにはスプレータイプ(左)と液状タイプ(右)の2種類がありますが、ムラなく塗布できるだろうから、という理由で、私はスプレータイプを愛用しています。

 その後、以下のページでご紹介しましたように、純正のエアインテイクシステムをそっくり外し、K&N社のラムエアシステムに交換しました。ラムエアシステムも湿式フィルターを採用していますので、そのメンテナンスは洗浄/オイル含侵であり、おサイフにも地球環境にもやさしい仕様です。

 このラムエアシステム、「嗚呼、これがシルキーシックスのサウンドだったのか~!」という官能的な音を提供してくれます。特に、3000-4000rpmで音質・音量ともに最高潮を迎えますが、この領域を多用する場合、つまりは峠などを攻めたい積極的に走りたい場合には、「ちょっと、ウルセーな」ということになってしまいます。

 幸いなことに、エアインテイクシステムの交換はこちらに示した通り1時間弱の軽作業で済みますので、普段はラムエアシステム、峠等を攻める積極的に走るときには純正システムに換えよう!と考え、永らく放置していた純正システムとK&Nの純正形状湿式フィルターのメンテナンスをすることにしました。

 エアインテイクシステムの全景は、冒頭の写真に示した通りです。左から、エア導入口、エアフィルターケース、レゾネーターの、3つのパーツで構成されます。まず、エアフィルターを取り外してから、これら3つのパーツを中性洗剤で洗浄し、乾燥させます。

乾燥後のパーツ。エアフィルターボックスは分割して洗浄しましたので、パーツは4つです。

 外したフィルターにはたっぷりとクリーナーを吹きかけ、しばらく置きます。それからシャワーで洗い流し、水を切ったのち再びクリーナーを吹きかけ放置、再びシャワーで汚れとクリーナー成分とをよくすすぎ、乾燥させます。

洗浄中のK&N湿式エアフィルター

 洗浄後のエアフィルターを、左に示します。買った当初は洗浄すると汚れやオイルが落ち真っ白になったものですが、10年弱も経ればオイルの赤みが消えません。右に、オイルをスプレーしたのちのフィルターを示します。洗浄前のフィルター重量は408gでしたので、重量が408gになるまでオイルスプレーを吹きかけます。

 オイルを塗布したフィルターをフィルターケースに収め(左)、ケースの蓋を6本のT-25トルクスで締めて完成です。

 せっかくの機会ですから、外観をピカピカにしてしまいましょう!
 黒樹脂の表面処理に私が愛用するのは、こちらのクレポリメイトDXです!!以前はこの分野では著名なアーマオールを使っていましたが、クレポリメイトの方が艶が自然で(ピカピカしすぎない)、効果が圧倒的に長く続くことから、現在はこれ一択です。



 クレポリメイトで処理する前 (左)と、した後 (右)。サッとスプレーしてキッチンタオル等で拭く (伸ばす、というイメージですね)だけで、大げさでなく新品同様になります。皆さんも、ぜひお試しください!!

 あれっ???こんなところにプラスチックの欠けが!!収納していた箱のなかを探ると、相方が出てきました。このプラスチックの材質を確認すると、PP TX20とあります。PPとはpoly propylene、俗にいうポリプロピレンで、TX20というのは20% Talc filled、つまりPPの重量の20%相当分のタルク(無機物)を混入し強化を図った材料、ということです。ポリプロピレンは、接着剤や粘着剤がつかない厄介なプラスチックの一つです。

 最近はポリプロピレンも接着できる、と謳う接着剤も出ているようですので、いろいろと漁ってみましょう。結果は、別途レポートします!

 クルマには様々なフィルター類が使用されていますが、エンジンのためのエアフィルターだけでなく、人間のためのエアコンフィルターもシッカリとメンテナンスしましょう!

 その他、クルマを好調に保つためのメンテナンス項目を、以下でご紹介しています。

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

* いいねボタンでのご評価をお願いいたします!
*よりよいページにするために、皆様からのコメント、アドバイス、リクエスト、ご質問等々を大歓迎いたします。ページ下部のコメント欄から、ぜひお寄せ願います!

コメント

タイトルとURLをコピーしました