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日本のクルマの進化 -トヨタカローラツーリング ハイブリッドと過ごした3週間-

クルマ全般
2020.10 代車としてお借りしたカローラツーリングのエンジンルーム。

 3週間もの長い期間を、最新の日本車と過ごすことになりました
 駐車場内での事故でフロントバンパーを接触されてしまいその修理のために私の愛車はディーラーに入庫、代わりのクルマが件の「最新の日本車」というわけです。

 車種の選定にあたって、保険会社からは「同じクラスのクルマでよいですか?」との確認が入りました。実は最近ジムニーに少し興味があり乗ってみたいと思っていたのと、代車の期間くらいはタイプの異なるクルマに乗ってみたかったので、「もしあれば、ジムニーのマニュアルを。ないのであれば、軽自動車でもリッターカーでも何でもいい」と答えました。

 車両入替の日、ディーラーに愛車を預け代わりに受け取ったのは・・・・

カローラツーリング。お借りしたクルマの写真を撮り忘れたので、トヨタホームページより引用しました。

 こちら、カローラツーリングでした。なんでもいいと言ったとはいえ、「こうきたか~」と一瞬たじろぎはしましたが、4,000㎞程しか走っていない新車です。

 グレードは、Sタイプ。ハイブリッドのFRで、エンジンは1.8Lの直4、トランスミッションは電気式無段変速機、いわゆるCVT (Continuously Variable Transmission)です

 遠方に所要があったこともあり、この3週間で3,000㎞を走ることになりました。高速道路にも、相応の距離を乗りました。燃費に気を使った運転をするということは一切なく、むしろ燃費のことなど無視して踏み続けたというのが正直なところですが、それでもこの3,000㎞の間の燃費は18.7㎞/l、素晴らしい!の一言です。タンク容量が40l強と小さいのでちょこまか給油は必要ですが、レギュラーガソリンで容量も少ないことから毎回の給油で支払う金額はとてもおサイフにやさしいものでした。

 装備面から見てみましょう

 まず、オートハイビーム機能。私のクルマにはついていません。この機能について、夜の山道、それもそこそこに交通量があるような場合は便利だろうな~と思っていました。
 標準でこの機能が装備されるクルマも数年前から増えたようですが、当時の私の周囲の方々の感想は、「ダメ、使えない。先行車がいても対向車が来てもハイビームのままのことが多く、とてもじゃないけど使い物にならない。まだ過渡期なのかな」とネガティブでした。
 それから数年が経ったこのクルマのオートハイビーム機能は、しっかりと使えるものになっていました!遠方に先行車を見つけても、遠方からの対向車を見つけても、直ちにロービームに切り替えてくれます。歩行者や自転車には当然反応しないのでその場合は手動で切り替える必要がありますが、街中では街灯に反応しそもそもハイビームにならないので問題はないでしょう。ともかく、山道や郊外では十分に実用に耐えるレベルに達していると思いました

 オートクルーズ機能について。この機能は私のクルマにもついていますが、単に設定したスピードを維持するだけのものです。対面通行で片側1車線の高速道路、例えば磐越自動車道などで遅い車の後をついて走っているときなど、前車追従式のオートクルーズがあるといいな~と思っていました。
 このクルマの前車追従式オートクルーズ機能、何の不安もなくしっかりと働いてくれました。一定の条件下では道路左右のラインを監視しハンドル操作もアシストしてくれますので、特に渋滞時などは疲労軽減に大きく貢献してくれそうです

 オートブレーキホールド機能について。これは信号待ちなどで停車した際、ブレーキを踏み続けなくともブレーキが効いた状態を保持してくれる機能で、私のクルマにもついています。しかし、私のクルマのこの機能はもう一つ使い勝手が悪く、例えば車庫入れする際に後退→前進→後退を繰り返すときにも機能を発揮してしまうようなものです。したがって普段はオフにしておき、開かずの踏切で引っかかってしまったときなどに手動でオンにする程度の使い方しかしていません。
 でも、この代車のこの機能は充分に実用的です!ブレーキ踏んだら何秒で、あるいはどのくらいの強さでブレーキを踏んだら機能を発揮させる、という制御が、日本の道路事情を加味しながら絶妙に最適化されているのでしょうね

 アイドリングストップ機能について、これは私のクルマにはついていません。エンジン車のアイドリングストップ機能を試してみたことがありますが、スタート時の
ブレーキ解放→エンジン始動→アクセルオン→トルク発生
の流れに微妙なタイムラグがあり、もう一つしっくりきませんでした。
 しかしこれはハイブリッド車、まずモーターで発進、航行し、十分に準備が整ってからエンジンのトルクが介入してくるため、一連の流れにタイムラグが一切発生しません。この機能、ハイブリッド車との相性は非常によいようです
(アイドリングストップは温室効果ガスの削減という点では有利だと思います。しかし、スタート/ストップを繰り返すことによるバッテリーの劣化を考えると、経済的な面においても有利なのかどうか、私にはわかりません)

 細かい点では、シフトをPからD、DからPに切り替えるとパーキングブレーキがそれに連動してオフ、オンにかわるので、パーキングブレーキの操作が不要です。これは、地味にありがたかったです。また、bluetoothオーディオと私のスマートフォンの相性がよかったからか、オーディオの使い勝手は上々でした。

 もう一つだな・・・、と思ったのは、ドアのロックセンサーがフロントドアにしかついておらず、リアドアを開けて荷物を入れるようなときは不便でした。安価なセンサーでしょうに、ここは利便性を犠牲にせず、全ドアにセンサーを付けるべきだと思いました。あと、少しでも走り出すとカーナビの操作が一切できなくなること。法令による規制があるのかもしれませんが、これはあまりに不便。

 走りについては、そこに特徴を持たせたクルマではないので、ここはカンベン!、という点だけをお話ししましょう
 雨の日、例えば橋上に定期的に配置してある鉄製のつなぎ目など滑りやすい部分をブレーキを踏みながら乗り越える時、必ず「ガッキーン!」と派手な音が発生します。鉄部で滑ってロックしたタイヤが路面でグリップを回復、路面との摩擦から生じた音なのでしょうか、これは不安を煽ります高速道路のカーブにも同じような鉄製のつなぎ目がありますが、雨の日にそこを走るのは相当に怖いだろうなな、と思いました
 あと、意図して敢えて負荷をかけると、いともカンタンにフロントタイヤが流れます。高速の入口カーブなどで (意図して)少し滑らせながら走る分には楽しいのですが、減速しながら高速の出口カーブを曲がるとき、エッ?というくらいのスピード域でタイヤグリップの限界を超えアンコントローラブルな状態に陥るので、細心の注意が必要です。加速時に滑る (コントロール下で滑らせる)のは楽しいのですが、減速時に意図せず滑るのは恐怖そのものです。
 私見ですが、ABS (Anti-lock Break System)があんまりいい仕事をしていないように思いました。
 では、ハイグリップタイヤを履けばいいじゃん?とも思いますが、サスペンションシステムやシャシー、ボディ、諸々がタイヤのハイグリップに耐え得るようには設計されてはいないでしょうから、トータルでみてポジティブな効果をもたらすことはないように思います。

 CVT車に乗るのは、初めてでした。最初はCVTとは知らず、床までアクセルを踏んでもキックダウンしないことに対して「なんなんだ?」と思いましたが、タネがわかれば納得です。アクセル全開にしたとき、まずは一番エンジンパワーを稼げる高回転域に回転を上げ、そのエンジン回転をCVTでクルマの速度に応じた回転に変換していたのですね。無段階変速の方がエンジンパワーを効率よく引き出せるのかもしれませんが、私は有段変速を自分で操って、考えながらエンジンパワーを引き出す方が好みのようです。

 最後、モーター駆動に対する欧州車と国産車の違いについて。本で読んで、またBMW i3を代車で乗って実感したのですが、欧州車はパワーを稼ぐために、国産車は燃費を稼ぐためにモーターを使う、というのは本当のようです。
 少なくともこのカローラでは、速度ゼロから最大トルクを発揮するモーターのパワー特性を走りに投入している印象は受けませんでした
 BMW i3は、まったく違いました。エンジンは発進からトルクの立ち上がりまでにタイムラグを要しますが、前述のようにモーターは発進直後から最大トルクを発生します。BMW i3はそれを走りに投入しており、エンジン車では味わえない加速を堪能しました。
(ただし、i3のシャシー、ボディ、足回りを若干ちゃちに感じてしまっていましたので、「大丈夫か、おい??」と心配になるくらいでした)

 代車として3週間もの長きにわたりお借りしたカローラツーリングでしたが、良きにつけ悪しきにつけ軽い運転タッチ、加速時は「全力でガンバってます!」と唸るエンジン音など、トヨタのコンパクトカーの特色は健全なまま、付帯機能が大きく進化したことを知ることができたよい機会でした

 ただし、この最新の日本車事情を知るには授業料が必要でした (涙)!
 クルマが軽快だと、細い砂利道を走ってみたくなるものです (私だけ??)。少しラフな道でも走ってみるべ、と、半舗装された山道を軽快に走行していると、左ドア付近から「ガキッ」とイヤな音が・・・。
 ええ、ええ、クルマを降りて見なくとも、何が起こったかはだいたい想像できてはいましたよ・・・。いやいやながらも、念のために確認すれば、果たして、「そこにおいでなすったのか!」という死角に鎮座する小さな岩がお怪我をされていました。
 車両保険の免責費用が、今回の授業料となりました
 (ハァ、世の中、世知辛いな~~。 ←←自分がアホなんでしょ!!)

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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