Kindle書籍刊行のお知らせ


ドイツ車のDIYメンテナンスについて、書籍にまとめました。本ブログで紹介している具体的なメンテナンス方法に留まらず、ドイツ車の思想、整備のポイントをまとめ、メンテナンスに必要な工具類の紹介、部品調達の実例紹介、メンテナンス対象の油脂類や部品の劣化メカニズムまでを紹介しています。

kindle unlimitedで無料ダウンロードしてご覧ください。

詳細はこちら

雪道への備え

安全

 宮城県の北部の街に2年間滞在し、その間、東北6県を駆け巡りました。この2年間の走行距離は、約4万kmでした。

 クルマは、もちろんBMW F10です。このクルマの駆動方式はFR (Front engine Rear drive; 後輪駆動)、一般的な国産のFR車はエンジンのある前が重く後ろが軽い、つまり駆動輪に荷重をかけにくいことから雪道には弱いとされています。

 従いまして、周囲から「雪国なめてるのか?」の冷たい視線を浴びることも多々ありましたが、なんといってもBMWは寒い雪国ドイツのクルマ、国産FR車とは異なる思想で設計されています。それは、前後車軸重のバランス。多くのBMW車はこの比率を50:50にバランスさせていますので、後ろが軽くて駆動(トラクション)がかからないということは少ないです。
 加えて、雪国タクシードライバーから伝授を受けた秘義「砂袋の術」も駆使しています。そう、20㎏の砂袋を2つトランクの後端に積み、意図的にリアヘビーにするわけです。万一のスタックの際には、この砂をタイヤの周囲に撒いて滑り止めにすることもできるでしょう。

 こうした事情があり、積雪の中をかなりあちこち出かけはしましたが、「ヤバい!」と感じたのは二度きりでした。

 一度目は、岩手山麓で遭遇した地吹雪。地吹雪は東北特有のサラサラの雪が風にあおられ視界を遮る現象で、これに遭遇すれば過行くことをただ車中で待つしかありません。
 二度目は、アイスバーンの下り坂でUターンをしてしまったとき。これ以上下ってしまうと戻れなくなる恐怖を感じた私は、あろうことか下り坂の途中でUターンを試みたのでした。クルマの向きが180°回転し上り坂を昇る格好になると、タイヤはズルルルルと空転するだけの役立たずに・・・。冷静に考えることができていれば、そんなことはわかり切っていたはずなのに。この時は見かねた地元の方が藁を編んだような敷物を敷いてくれ、どうにか脱出することができました。うしろから「ゼッタイに止まるなよ!」の怒号が聞こえましたので、頭を下げて御礼申し上げることもなく、ただ窓から手を振っただけで立ち去ってしまったことが今でも悔やまれます。

 2年間を通じて一応の事なきは得たものの、自分のクルマが必ずしも雪道に強いわけでないことは充分に承知しており、用心はしていました。冬に入ると、砂袋のほかカンパン、水(6L)、毛布(脱出&暖取り用)、寝袋をトランクに常備しておりました。東北では一度の活躍の機会もありませんでしたが、先週末に関越道等で発生した積雪による立ち往生に不幸にも遭遇してしまっていたら、大活躍してくれたことでしょう。

 雪道をなめてはいけません。備えあれば患いなし。

参考)
地元の方が助けてくれた藁の敷物、こんな感じのものでした
(楽天のサイトをご参照ください)


 BMWでのスノードライブについては、こちらのページもぜひご参照ください。

 こちらに、雪道に備える最重要装備をまとめました。

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

* いいねボタンでのご評価をお願いいたします!
*よりよいページにするために、皆様からのコメント、アドバイス、リクエスト、ご質問等々を大歓迎いたします。ページ下部のコメント欄から、ぜひお寄せ願います!

コメント

  1. ごう より:

    質問させてください。同世代のものです。大阪から秋田市内に赴任することになり、F10をもっていくのですが、タイヤ以外に他にオイルやバッテリーなども交換が必要でしょうか?
    是非ご教授ください。よろしくお願いいたします。

    • Kei より:

      ごうさん
      コメント、ありがとうございます。
      返信が遅れ、申し訳ありません。
      秋田市は大きな町で、食べ物も美味しいし、近場にはよい温泉も豊富にあるし、とてもよいところですよ。

      タイヤは、必須です。ブリジストンのBrizzakか、ダンロップのWintermaxxを選ぶと、間違いはないかと思います。
      オイルについては、寒冷地だからといって特別な配慮が必要なわけではなく、通常通り5,000~6,000㎞毎に交換しておけばよいかと思います。
      バッテリーも同様で、寒冷地かどうかというよりも性能が劣化したかどうかで交換を判断すればよいと思います。

      冬場は、クルマの中に次のものを準備しておくとよいと思います。
      ・古毛布 → 万一スタックした際、タイヤの下に敷く
      ・砂袋 → トランクの後端に載せておき、後輪にトラクションがかかるようにする
      ・防水手袋、長靴、防寒・防水ジャケット → 雪中で水に濡れると、冷たくて作業できません。防水、防寒に留意ください。

      あと、冬場は極力ガソリンを満タンにしておくよう心がけてください。万一スタックした際、ヒーターをかけたまま救助を待つことができるように。

      こちらの記事も、是非ご参考ください。
      https://www.oilyboy.info/2021/12/06/snow-driving-with-bmw-1/
      https://www.oilyboy.info/2022/01/03/snow-driving-with-bmw-2/

      東北ライフを、是非エンジョイください!

タイトルとURLをコピーしました