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フューエルポンプを交換する -2-

修理・点検・メンテナンス
2021.05. リアシート下に鎮座するフューエルポンプを交換します

 前回、2つの部品で構成されているフューエルポンプのうち上の蓋 (白いパーツ)を開けたところで、なんとしたことかガソリンが溢れだし、勇気ある撤退を余儀なくされたことをご紹介しました。

 その後Youtubeでいろいろと確認しても、「Take care of the over flown fuel immediately after opening white lid of the pump ! (あの白いパーツを開けるとガソリンがあふれ出すことがあるから注意しようね!)」らしきアドバイスは見つかりませんでした。

 ですので、今回は、

① ガソリンを可能な限り減らした (≒減るまで走った)
 BMW公式のTIS (Technical Information System)をみると、necessary preliminary taskとしてdraw off fuelと記載があります。要は、フューエルポンプを交換する前の必要な事前準備としてガソリンを抜いてね、ということなのですが、抜くツールもないし、(本当に必須な作業というよりも)安全への配慮で記載されたものであろうと思い、火気に十二分な注意を払えば抜かずとも交換できるであろうと考えていました。
 しかし、抜かねば交換ができないよ、という意味かもしれないと思い直し、前回は半分ほどもガソリンが残っていたところ、今回は燃料計の最後のひと目盛の半分程まで消費された状態で作業を進めました。

② スペシャルツールを準備した
 ①でも不十分で、ガソリンが溢れ出てしまった場合の備えです。100円ほどで入手できる容器 (多分、ケチャップか何かを入れることを想定した容器でしょう)に手持ちのホースをねじ込んだ、特製のスペシャルツールです。

上記2点の準備をして臨みました。

 前回同様、フューエルポンプにつながる2つのコネクタを抜いてから、エンジンをかけます。すぐにストールしますが、今回は改めてさらにスタートボタンを押し、クランキングさせます。メーターパネルに「燃料系異常」の警告が出るまで続けました (前回はエンジンがストールしたところでやめていましたが、今回はさらに念を入れました)。

 これでホース内の燃圧が抜けるはずなのですが、水色の高圧ポンプへ燃料を送るホースを抜くと、今回も「ブシュシュシュ~~」と勢いよく高圧側からガソリンが逆流してきました。またかよ・・・、と思いながらも、予測はしていたのでビニール袋で受けました(笑)。前回はこの量をほぼまるまる室内にぶちまけてしまい、ニオイの消えるのにかなりの時間を要しました・・・。

 白い蓋を押さえているロックリングを外し・・・、いよいよ運命の瞬間です!!

 ③のスペシャルツールの空気を抜きいつでもガソリンを抜けるよう、また足元に焼酎の空き瓶をおき抜いたガソリンをどれだけでもため込める準備をして、魔の白い蓋を開けます。

 パカッ!

 れれれれれ???

 綺麗なもんです。

 前回は白い蓋を開けたと同時に相当量のガソリンが溢れ出て涙目になりましたが、今回はガソリンは溢れだしません。中の構造をよくよく確認し、今回の勝因は①であろうと結論付けました。
 TISに余計なことは書かれていないようです。漏らさず、シッカリと遵守しましょう!

 外した白い蓋の裏側のコネクタを一つ抜き、写真に見える黒いケーブル (ホースかと思っていましたが、給電ケーブルでした)2本を抜き、奥まった場所で写真には写っていないフューエルプレッシャーレギュレターを抜きます。ご参考までに、下記にTISの抜粋を掲載します。①が、件のフューエルプレッシャーレギュレターです。

 ちょっと知恵の輪状態だったのと、私の決して大きくはない手にとっても狭かったのとで若干難儀しましたが、無事ポンプを摘出しました。

 新旧を比べましょう。青いキャップがついている方が新品ですが、新品に付いているガソリンプレフィルターと旧品のそれを見比べましょう。色が、まったく違いますね・・・。これを見て、シャシーに装着されているとされるガソリンフィルターの交換の必要性を認識しました。帰ったら、さっそく注文しましょう。このフィルターは、もちろん純正部品をチョイスすべきでしょう。
(しかし、TISにはフューエルフィルターの存在が記載されていますが、パーツリストにそれを見つけることはできていません。近しいものとしてチャコールキャニスターはリストされていますが、機能もい装着位置も違うようです。TISによればアンダーカバーを外した位置にあるようですので、こんど外した時に実物を探してみることにしましょう。)

 あとは、逆の手順で新品を装着するだけです。奥まった位置に装着せねばならないフューエルプレッシャーレギュレターに難儀した程度でした。

 さあ、エンジンをかけてみましょう!

 かなり長めのクランキングに若干焦りましたが、無事エンジンがかかりました!

 今回は別でご紹介するデフオイル交換も兼ねてレンタルピットを借りての作業でしたので、後片付けをして家路につきます。

 100,000㎞を超えたら要注意部品の筆頭格のフューエルポンプを交換でき、一安心です。

 次は、電動ウォーターポンプとサーモスタットかな~。

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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コメント

  1. タカミネ マサオ より:

    F10/11の現在のパーツ対応表現では、燃料搬送経路上の独立フューエルフィルターは存在しなくなっているようです。

    ディーラーのサービスアドバイザーに聞いたら、ヨーロッパでもガソリン燃料の純度が良くなって、消耗品交換的にフューエルフィルターを変える必要がなくなり、フィルターはポンプ一体型のインタンクフィルターとなったとのこと。 定期交換消耗品の位置付けではなく、不具合の兆候が出てからの対処で良いとの助言です。

    • Kei より:

      タカミネ様
      有用な情報を、ありがとうございます。
      私も気になっていて、先般改めてアンダーカバーを外してフューエルホースラインを確認しましたが、それらしきフィルターは見当たりませんでした。その時は実施しませんでしたが、(可能性は低いとも思いながら)次回に左フロントホイールアーチカバーを外してラインを確認し、それでも見つからなければこのクルマにはフューエルフィルターがついていないと結論付けようと考えていました。
      タカミネ様の情報供与により、このクルマには独立したフューエルフィルターはないと確信できました。
      また情報があれば、是非アドバイスを願います!

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