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BMWのDiagnosis(故障診断機)の精度比較 -ディーラーの診断機 vs DIY用の診断機 (Carly for BMW)-

修理・点検・メンテナンス

 忌まわしいオレンジのエンジンマークがたまにメーターパネル内で灯りますが、多くの場合は私の使っている診断機でスキャンし、たいしたエラーでないと判断できればエラーを消去しておしまい、当面はエンジンマークが灯ることはありません。

 ちなみに、私が使っている故障診断機はドイツのCarlyで、スマホにアプリをインストールし、Carlyが用意している専用スキャナを車両のOBD-Ⅱコネクタに接続して使用します。

 以前は日本語対応しておらず、私は英語で使用していましたが、最近になって日本語対応が完了したようです。
 中華系にありがちな怪しげな日本語ではなく、ネイティブの我々が見てもごく自然な日本語でしたので、私も日本語で使用するようになりました。

 Carlyについては、以下の記事で紹介しています。

 Carly専用のスキャナは、Amazon等でも購入可能です。ただし、英語でのコミュニケーションに問題のない方であれば、Carlyから直接購入した方が安価かもしれません。

 私の使用しているのはだいぶ古い第2世代のスキャナですが、上記の最新バージョンでは診断スピードが向上し、バッテリーチェックなどの新機能にも対応するようです。私も、そろそろ買い替えを検討しています。

 もともとはコーディングをするために導入したCarlyですが、故障診断やメンテナンスの際にも大活躍しています。

 例えば、リアブレーキのオートパーキングブレーキを解除する際や、またギヤがPモードに入ったままエンジンがかけられなくなった場合の脱出手段としても活用できます。

 いつもであれば、いったん消えればしばらくは灯ることのないエンジンマークですが、今回は違いました。

 エラーを消去しても消去しても、すぐにエンジンマークが灯るのです。

 エンジンマークが灯ってもたいしたエラーではないことが多く、多くの場合はオオカミ少年的なサインだとたかをくくっているのですが、今回は本当にどこかがおかしいのでしょう。

 Carlyの診断結果レポートでは数多のエラーが出ていますが、いつもと違うのは、主だったところでは

1) VANOSのエラー
2) バッテリーのエラー
3) ラムダセンサーのエラー

が現れたことです。

 細かい説明は省きますが、こちらがCarlyによる診断結果です。
 (クリックすると、pdfにリンクします)

 悩ましいのは、BMWのセンサー、コンピューターが敏感すぎて、一過性の、つまり交換まで必要のない誤作動まで拾ってしまうので、これらのうち、どれがエンジンマークを灯らせる犯人なのかを検証せねばならないことです。
(予防整備と考え、これを機会に全部交換してしまうという手もありますが・・・)

 1) のエラーが正しければ、これまで無交換で過ごしてきたVANOSですので、これを機に交換すればよいでしょう。

 2) のエラーは今回の診断ではなく少し前の診断ででたものですが、これが正しいなら、バッテリー自体は交換してまだ4年ほどしかたっていないのでバッテリーのせいではなく、14万km近くも走っているのにまだ一度も交換したことのないオルタネーターの寿命かもしれません。
 ただし、以前にこのエラーが出て以来、一度も再発していないので、これは考慮不要の一過性のエラーの可能性が高いと考えました。
(BMW F10に搭載されているAGMバッテリーは高価ですが非常に寿命が長く、過放電等がなければ7年ほどはもつはずです)

 3) のエラーが正しければ、触媒前のラムダセンサーは80,000kmの時点で交換しており、それから50,000㎞ほどでセンサーが壊れるのは考えにくいのですが、本当にダメなら交換するしかないでしょう。

 私は1)が犯人だと推測したのですが、2)のオルタネーターは高額だし、3)の可能性も拭えないし(ちなみに、ラムダセンサーも高額な部類に入るパーツです)で、一応ディーラーの見立てを聞いてみようと、何年振りかにディーラーに赴き、ディーラーの診断機で判定してもらうことにしました。

 3年ほど前にディーラーで診断してもらったときの請求は4,000円程度でしたが、今回は11,440円と、だいぶ値が上がっています。
 なお、内訳は車両テスト費、トラブルシューティング費がそれぞれ5,720円で計上されていました。


(前回は単身赴任地の、今回は今住む大阪のディーラーで診断を受けました。ディーラー運営会社が異なるので料金ポリシーも違うのでしょうが、前回のディーラーはトラブルシューティング費までは請求しなかったのかもしれません。)

 結果はこちらです。

 この結果を見て、私は心の中で歓声をあげました。

 Carlyの診断結果と、ほとんど変わらないじゃん!!
 (エラーの量はCarlyの方がずっと多いですが(ディーラーの結果は、些少なエラーがある程度フィルタリングされたものなのかもしれません)、本質的な部分はディーラーの結果と変わりがありません。)

 つまり、これからはCarlyの診断結果に全幅の信頼をおいて、故障個所を検証すればよいということなのです!

 ディーラーの見立ては、私と同じくVANOSが原因だろうというものです。

 電気系のエラーは無視、そして私はエアクリーナーを純正からラムエアシステムに交換していることから、吸排気に関わるエラーはその交換によるもので、故障の可能性は低いということで除外、残るVANOSが怪しい、というのが見立ての根拠だそうです。

 まあ、3)のエラーは今回のエンジンランプ灯りっぱなし現象の以前からでていたものなので無関係かなと、私も推測はしていました。

 結局、ディーラーの診断機でVANOSのテスト作動をしたらランプが消えたので、しばらくこれで様子を見てください、ということになりました。

 その後2週間ほどはエンジンランプが灯ることがなかったのですが、ある日また突然にあの忌まわしいランプが灯りました。

 Carlyで診断すると、果たして、VANOSのエラーが出ていました。

 こりゃ、VANOS交換しかありませんね!

 VANOS交換については、別の機会に紹介します

 

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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