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BMW用湿式エアフィルター(K&N製)のメンテナンス

修理・点検・メンテナンス

 ほとんどのモデルがそうであるように、BMW F10にも乾式のエアフィルターが標準装備されています。

 乾式の場合は汚れたら交換すればよいのですが、近頃よく耳にするSDGsの観点から「使い捨て」はどうよ?という疑問がわきます。

 また、長い目で見れば、経済的に考えても、汚れれば洗浄して繰り返し使用できる湿式は使い捨ての乾式に比べて有利となります。

 BMW F10 (NA6発の528i)を例にとって、乾式と湿式の値段の差を見てみましょう。

 まずは、乾式。

 

 次いで、湿式。

 

 上記の湿式は、定番のK&N社製の純正形状の製品です。純正と同じ形状ですから、フィルターケースはそのままで、単に交換するだけで使用できます。

 価格は湿式の方が3倍程度高価なだけですから、3回洗浄して再利用すれば湿式の方が価格的に有利になります。価格だけでなく、性能的には吸気効率も湿式の方がよいようです。

 3回の洗浄と書きましたが、2年に1度洗浄する方は6年、毎年洗浄される方は3年で湿式にコストパフォーマンスの軍配が上がります。

 拙著に、BMWの典型的な交換部品とそのサイクルを記載していますので、是非ご参照ください。

 

 なお、K&Nはアメリカに本拠を置くフィルターメーカーで、50年の歴史を持つようです。パフォーマンス向上と安全性 (エンジンにダメージを与えない)に重点を置いた製品開発をしています。

 では、湿式エアフィルターのメンテナンス (洗浄)方法をご紹介しましょう。

 私は上記のK&N製純正形状湿式エアフィルターも使用していましたが、現在はラムエアシステムにグレードアップしましたので、そちらを例にとってご紹介します。フィルター形状は異なりますが、メンテナンス手順に変わりはありません。

ラムエアシステムの写真

 まずは、エアフィルターを取り出します。

 純正形状の場合は、フィルターケースのトルクスネジを外し、蓋を開ければフィルターにアクセスできます。ただし、トルクスネジを締める時は注意が必要です。この部分のトルクスネジはタッピング仕様になっており、ネジ穴を切りながら締めるタイプです。ですので、このネジを元あったネジ穴に対して斜めに締め付けると、新たなネジ穴が切られ、ネジ穴そのものがスカスカになってしまいます。タッピングネジを再び締め付ける場合は、元あったネジ穴に対して垂直に、またネジが元のネジ穴に嵌合するまでは手で優しく締め付けるようにしましょう。

 ラムエアシステムの場合、クランプをひとつ (写真左のクランプ)外すだけでエアフィルターを脱着できます (写真右。ただし、洗浄後のフィルターが写っています)。

 洗浄には、専用のクリーナーを使用します。

 クリーナーの価格は、ずいぶんとリーズナブルです。5回程度は使用できる量となっています。

 オイルについて、上記のエアゾールタイプのほかに手動ポンプ式もありますが、使いやすさの点で私はエアゾール式をおすすめします (エアゾール式の方が数10円高いだけです。)

 まずはクリーナーを吹きかけ、15分程度待ってから水道水で洗い流します。下の写真は左がbeore、右がafterですが、洗浄の効果がはっきりとおわかりになるかと思います。

 おっと、洗浄前に1点注意点があります。

 洗浄後、どの程度オイルを吹きかけたらいいの?という方がいらっしゃるかと思います。慣れてくれば、全体が均等にうっすらとピンク色になればOKと判断できるのですが、慣れないうちは色で適量の判断ができないかもしれません。少なければ防塵効果が薄れますし、多ければ余計なオイルが高価なエアマスフィルターの故障を誘発する可能性があります。ですので、最初のうちは洗浄前にフィルターの重量を計測しておき、洗浄後にオイルを吹き付けたあとで同じ重量になるようにすれば、オイル量は適量と判断することができます。

 洗浄後にフィルターをよく乾燥させ、全体がピンク色に色づくまでオイルを吹き付け、それをフィルターボックス内に戻して完了です。

 下は左が洗浄中、右がオイル吹き付け中の写真です。

 オイルを吹き付け終わったフィルターは、こんな色になります。新品同様です!

 これでまた1~2年間、気持ちよく駆け抜けることができます。

 別の記事で紹介しますが、最近BMWのバイク R1250GSを購入しました。

 ラインアップがあるようであればK&Nのラムエアシステムをインストールしますが、なければ、純正の乾式フィルターから湿式フィルターに交換しようと考えています。なお、ひとつ前のモデルであるR1250GSに適合する湿式フィルターは、K&N社のラインアップにあるようです。

 

 下記記事で紹介しましたが、ラムエアシステムの性能、音響効果は抜群で、それをバイクでも体感したいのです。

 なお、私の購入したバイクにはスロベニア共和国の名門、アクラボビッチの排気システムを奢っていますので、その音響効果を最大化するためにも、なおさらラムエアシステムを導入したいのです。

 クルマ用には半年以上も前にエナジーモータースポーツの排気システムを購入したのですが、いろいろと用事があり装着のヒマがなく (2本出しを4本出しにするので、配管やらディフューザーの加工やら、ポン付け程度で対応できそうにないのです)、もう半年以上も放置しています。早く交換し、吸排気システム全体のアップグレード (期待しているのは、主に音響効果ですが(笑))を図りたいものです。

 当然自分で装着しますが、その手順は別途記事にしますね。

 

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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