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BMWでスノードライブ (2) -DSC機能を正しく使う-

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 DSCというのはDinamic Stability Controlの頭文字を並べた語で、「クルマの安定的な挙動を動的にコントロールする装置」とでも訳せましょうか。

 いわゆる「横滑り防止装置」で、BMWの場合はDSCと称しますが、日本車の多くはESC (Electronic Stability Control)など、各メーカーで名称は異なります。

 これは、タイヤの回転やクルマにかかる横Gを常にモニターし、スリップやスライドなどの兆候がみられた場合に即座にコンピュータが介入し、車両の安定性を確保する装置 (あるいは機能)です。
 具体的には、エンジン出力と4輪のブレーキを独立にコントロールすることで車両の姿勢を制御するようです。

 濡れた路面をフルスロットルで加速するとリアがスリップしているのを体感することがありますが、即座にメーターパネルのオレンジのインジケーターが点滅し、DSCが介入したことを知らせてくれます。同様に山道を積極的に攻めているとき、「おっ、滑った」と思った瞬間に例のオレンジのインジケーターが点滅し、クルマの姿勢を正してくれます。スリップやスライドなどの異常事態が生じたとき、DSCが常に100点満点の制御をしてくれるかどうかはわかりませんが、少なくとも私はこれまでDSCにいつも助けてもらってきたというか、DSCの制御がスカンチョ*だったせいで危ない思いをしたとか事故ってしまったとかという経験はありません。
*スカンチョ:私の先輩が多用する表現で、京都弁で「見当違いな」といった意味のようです

 でも、このDSCの介入が邪魔になることもあります。

 例えば、雪道で多少スリップやスライドした時。
 こうしたときにDSCが即座にエンジン出力を制限してしまったら、却って走りにくくなってしまいます。こういう場合はDSCの制御レベルがやや低い、つまり多少のスリップやスライドを感知してもエンジン出力を絞らないDTCモードに切り替えた方がよいこともあります。なお、DTCはDinamic Traction Controlの頭文字を並べた語です。Stabilityの若干の乱れは許容するけれど、Traction、つまりタイヤの過度な空転や滑りだけは監視し必要に応じて介入しますよ、ということなのでしょう。
 私はめったにやりませんが(笑)、峠道などをリアを多少滑らせながら駆け抜けたい時もDTCモードを活用できそうです。

 DTCモードに切り替えるには、DSCスイッチを一度押すだけです。
 DSCスイッチはシフトレバーの右前方にある、クルマがスリップしたイラストとOFFの文字が併記されたスイッチです。

 DSCモードのメーターパネル表示は以下ですが、

DTCモードでは 油温計の上にインジケーターが灯り、シフトインジケーターの横に「Traction」の表示が点灯します。なお、日本語で「DTCオン」という表示が見えますが、この表示は間もなく消えてしまいます。

 

 DSCスイッチを長押しするとDSCオフのモードに切り替わってしまうことに注意してください。
 DSCオフモードに入った場合、油温計上のインジケーターは同じですがシフトインジケーター横の表示は「DSC OFF」となります。「DSCオフ」という日本語表示はDTCモードの時と同様、間もなく消えてしまいます。

 DSCオフモードでは、ABSに加えほんのベーシックな介入が入るだけ。意のままにクルマを操りたい、またそれをできるだけの腕がある方限定のモードと捉え、公道ではなくサーキットで使うモードだと考えた方がよさそうです。

 BMWで雪道を走行する場合は、基本はDSCオンのモードとしておき、ちょっと滑るな、とか、滑ったときにパワーが絞られ運転しにくいな、と感じた時にDTCモードに切り替えるとスムーズに運転できます。

 上記したのDSC機能の基本を理解して、BMWでのスノードライブをエンジョイしましょう!

 本記事の前編は、こちらに。

 雪道への備えは、こちらに。

 そして、雪道に備える最重要装備はこちらに。

 

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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