Kindle書籍刊行のお知らせ


ドイツ車のDIYメンテナンスについて、書籍にまとめました。本ブログで紹介している具体的なメンテナンス方法に留まらず、ドイツ車の思想、整備のポイントをまとめ、メンテナンスに必要な工具類の紹介、部品調達の実例紹介、メンテナンス対象の油脂類や部品の劣化メカニズムまでを紹介しています。

kindle unlimitedで無料ダウンロードしてご覧ください。

詳細はこちら

ラッピングフィルムでリアスポイラーをカーボン調にデコレートする!

tips
2020.10 3M社ラップフィルム1080とナイフレステープで施工したリアトランクスポイラー

 3M社のラップフィルム 1080のブラックカーボン柄、および同社のナイフレステープ フィニッシュラインを購入してから、クルマの小部品をラップするのが楽しくて仕方なくなりました。

 こちらでご紹介した通り、これら製品には3M社の技術の粋が込められ、我々素人でもうまく貼れるような工夫が凝らされています。

 今回は、こちらのリアトランクスポイラーをカーボン調にデコレートしてみました。

 なお、このトランクスポイラーはヤフオクで落札した中古品、もとは白色でしたが、缶スプレー塗装にハマっていた時期に私のクルマと同色のスペースグレイに塗装したものです。この時に一番苦労したのが、スポイラー裏面に残された両面テープを剥がすことでした。2種類のテープ剥離剤を試しましたが、ドーイチ社のDe-Solv-it (ディゾルビット)が優れモノでした (文末にリンクを示します)。オレンジの香りが漂いイライラを防止できますし(笑)、素手で施工しても手荒れなどは一切ありませんでした。地球にも、人間にも優しい製品です。

 さて、本題に移りましょう!

 本スポイラーの全長が1255㎜であるのに対し私の購入したラップフィルムの幅は1080㎜、残念ながら全長方向に1枚貼りをすることはできません。私は、中心部を長めに貼り、次いで両端部を貼るという、3分割で施工することにしました。以下の写真で、イメージをご理解いただけるでしょうか?
 以後、本稿では下記写真の左右方向 (スポイラーの長手方向)を全長方向、同上下方向 (スポイラーの短手方向)を幅方向と呼びます。

 スポイラーは弓状の形状をしているため、幅方向に1枚のシートでくるっと包みこむように貼ろうとすれば、熱をかけて相当にフィルムを伸ばす必要が生じます。フィルムは伸ばすほどカーボンの柄が崩れますし、施工後に引張の応力をフィルムに残すことになりこれがのちのちの剥がれの原因になります。したがって、幅方向には2分割で貼ることにしました。
 下の写真をご覧ください。施工してある側がスポイラーをクルマの真後ろから見たときに目に映る側で、以後この側を背中側と呼びます。施工していない側がスポイラーを上から見たときに目に映る側で、以後この側を腹側と呼びます。

 まず、腹側の全長方向中央部分の施工から始めます。ある程度の余裕をもってフィルムを切り出し、両端のカット部分にナイフレステープを仕込みます。左写真は全長方向に途切れていますが、左端のカット部分に緑色の細いナイフレステープが仕込んであることがわかると思います。なお、この写真はスポイラーをひっくり返した、裏面から撮影したものです。また、背側と腹側の境界でフィルムをカットしますが、背側と腹側の境界に沿ってナイフレスが仕込んであることが、右写真から (ギリギリ)わかるかと思います。なお、ナイフレステープを含むカーラッピングフィルム関連グッズのご紹介は、こちらにあります。

写真左が、背側にフィルムを貼り終えた状態です。写真中がナイフレステープからフィラメントを抜こうとしている状態、写真右がフィラメントを抜いているところです。

フィラメントを抜いた後、腹側の余剰フィルムを剥がします。フィラメントにより背側/腹側の境界でカットされていますので、写真右のよう綺麗に分かれます。するとナイフレステープのキャリア部 (緑)が残りますので (写真中)、これは忘れず取り除いてください。背側の施工が完成した状態が、写真右です。なお、写真右の未施工部はスポイラーの裏側となりますが、この側の余剰フィルムはカッターを使って切り取り済みです (スポイラー裏側は少々傷ついても構わないので、カッターをあてました)。

 同様に、腹側も施工します。背側の施工時、ナイフレスは背側/腹側の境界に仕込みました。腹側の施工時は境界ピッタリではなく背側寄りに仕込み、背側のフィルムに腹側のそれが若干覆いかぶさるよう狙います (写真右)。全長方向中央部の、背側と腹側の施工が完成しました。

 次は全長方向両端部の施工です。中央部と異なり、この部分は背側と腹側を1枚のフィルムで施工してしまいます。この部分の領域は狭いため、大して伸ばさずとも1枚で貼れると判断したからです。両端部を貼る際、カーボン柄の向きに注意してください。写真左が柄が揃っていない例、右が揃っている例です。

 切り出したフィルムは少々寸足らずでしたが (写真左)、このままドライヤーで加熱して引っ張ります (写真中)。この程度のシワは、どうとでも修正できます。写真右が、完成図です。なお、両端の施工でナイフレステープを使用したのは全長方向中央部とのラップ部分のみで、幅方向はスポイラー裏面でカッターで処理しました。

 さあ、完成です!
 ラッピングフィルムに込められたテクノロジ、そして革命グッズ (ナイフレステープ)のおかげで、十分に満足のいくレベルで仕上がりました!

 あと、ラッピングフィルムの使い道は「正常な」パーツの外観雰囲気を変えるだけにとどまりません。こすってしまったり壊してしまったりの「異常な」パーツのリペアに用いることもできるのです。それについては、以下の記事で紹介しています。

 ここまでのご紹介で使用した主な機材は、以下の通りです。

① ディゾルビット (Dr-Solv-it)
 有害物質を一切使用しないシール、テープ等の粘着剤剥がしです。オレンジオイル配合で、心地よいほのかな香りが漂います。私は手の皮膚が強い方ではありませんが、手荒れ等は生じませんでした。


② 3M ラップフィルム 2080シリーズ カーボンファイバー
 Youtubeで実演されているプロも口を揃えますが、フィルムはいいものを使いましょう。安いものとは施工性や仕上がりに大きな差が出ます。よいフィルでは何がすぐれているのかは、こちらで紹介しました。


③ 3M ナイフレステープ フィニッシュライン
 フィルムラッピングに革命を起こした製品だと、私は考えています。ボディに傷をつけることなく、綺麗にフィルムをカットすることができます。


④ スキージーセット
 フィルム施工時、フィルムが巻き込んだエアーを抜くための道具です。先端にフェルトが被せられ、フィルムに傷がつくことを防いでいます。


今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

* いいねボタンでのご評価をお願いいたします!
*よりよいページにするために、皆様からのコメント、アドバイス、リクエスト、ご質問等々を大歓迎いたします。ページ下部のコメント欄から、ぜひお寄せ願います!

コメント

タイトルとURLをコピーしました