Kindle書籍刊行のお知らせ


ドイツ車のDIYメンテナンスについて、書籍にまとめました。本ブログで紹介している具体的なメンテナンス方法に留まらず、ドイツ車の思想、整備のポイントをまとめ、メンテナンスに必要な工具類の紹介、部品調達の実例紹介、メンテナンス対象の油脂類や部品の劣化メカニズムまでを紹介しています。

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エンジンオイル、オイルフィルターの交換手順 -DIY整備の基本中の基本。難しいことはありません-

修理・点検・メンテナンス

 各欧州車メーカーはエンジンオイル交換の推奨インターバルを非常に長く設定しており、例えば私のモデル (BMW F10 528i)では走行25,000㎞毎、あるいは1年経過毎となっています。ちなみに、オイルフィルターはオイル交換毎の交換を推奨。

 かつてエンジンオイルは走行5,000㎞以下での交換が推奨されていましたが、このエンジンオイル交換頻度の低減、言い換えればエンジンオイルのロングライフ化は、とりもなおさず欧州の厳しい環境規制に対応するためにオイルの廃棄量を減じねばなぬという思惑が先に立った苦肉の策で、エンジンやエンジンオイルの進化がかつてほどの交換頻度を必要としなくなった、というわけではないようです。

 エンジンオイルの機能・役割、寿命度等については別の機会にご紹介させていただくとして、私自身は走行5,000㎞毎にエンジンオイルを交換しています。私は半年以内に必ず5,000㎞以上を走行しますので (^O^)、走行距離のみをオイル交換の目安にしています。また、オイルフィルターの交換はオイル交換3回に1回程度の頻度としています (それでも、一つのフィルターで走行する距離は15,000㎞程度。メーカー推奨 (25,000km)の60%程度で交換していることになります)。

 私は自分でエンジンオイル、オイルフィルターを交換しますが、今回はその手順をご紹介させていただきます。
*この方法でエンジンオイル、オイルフィルターを交換して、絶対に問題が起きないことを保証するものではありません。ご実施の際は、自己責任でお願いいたします。

1.  クルマのフロント部ジャッキアップ
エンジンオイルの除去(ドレンアウト)では、エンジン下部に装着されたオイルパンのドレンボルトを外すことが必要です。ドレンボルトにアクセスするため、クルマのフロント部をジャッキアップします。

a) フロアジャッキがフロントジャッキポイントに届くよう、カースロープでフロント部を持ち上げる
 (ローダウンしていない、あるいは完全低床用ジャッキをお持ちの場合、不要かもしれません)

b) フロアジャッキをジャッキアップポイントにあてがい(写真左)、ジャッキアップ(写真右)する

c) ボディサイドのジャッキポイントにウマ(リジットラック)をかける
*命にかかわります。必ず実施しましょう。『命懸けずにウマ掛けよう!』

2. オイルパンのドレンボルトを外し、古いオイルを抜く

a) アンダーガードのドレンボルトカバー (写真左)を外す (写真中)
 (8㎜のボルトを外し、カバーを左回転させて下に抜く)
b) ドレンボルト(17㎜)を外すと、古いオイルが排出される (写真左)

3. オイルフィルターを交換する

a) オイルフィルターケース(写真左)にオイルフィルターレンチをかけ(写真中)、外す(写真右)。

b) オイルフィルター、および赤矢印で示した2つのゴムパッキンを交換し(写真左)、オイルハウジング内に残ったオイルを抜き取り(写真中)、清掃する(写真右)。
*私の使用するMann Filter社(ドイツ)のオイルフィルター (HU816x)には、2つのゴムパッキン、およびドレンワッシャーが同梱されています。

c) 新しいオイルフィルターを装着し、オイルハウジングにねじ込む。
*締め付けトルクは25N・mです。私はトルクレンチを使用しています。

d) ドレンワッシャーを交換したドレンボルトを、オイルパンにセットする。
*締め付けトルクは、25N・mです。オイルパンのネジ山をいためると大惨事になりますので、工具を使わず手でドレンボルトを締め込み、最後にトルクレンチで規定トルクで締め込みます。

e) 規定量のオイルを投入し、オイルレベルを確認する。
*私は、オイル交換のみの場合は6L、オイル+フィルター交換の場合は6.5Lのオイルを投入しています。
*私の使用オイルは、Mobil 1 0W-40です。

f) 廃オイルの処理
市販のオイル処理箱を利用し燃えるごみとして処分するか、不要になったオイル缶に廃オイルを貯めておきガソリンスタンド等で処分してもらう方法があります (今のところ、処分費用を請求されたことはありません)。前者は焼却処分、後者はリサイクル (再生重油として燃料等に利用されるようです)ですので、後者の方が環境にやさしいですね。

 以上が、私のエンジンオイル、オイルフィルターの交換手順です。両方交換しても1時間程度の作業、朝メシ前です (^^)。

 自分でオイル交換することのメリット、また私の使用しているオイルやオイルフィルターはこちらでご紹介しました。

この作業に用いた代表的な工具の一部を、以下に示します。
(一部、類似品も含みます)

① AP プラスチックラダーレール
→ノーマル車高の方や、車高を下げていても完全低床ジャッキをお持ちの方は、必要ないかもしれません。


② 低床ガレージジャッキ
 →少しオーバースペックかもしれませんが、安全のために私は耐荷重2tの製品を使っています。


③ AP リジッドラック 3t ×2
→クルマの下にもぐる際は、必ずリジッドラックをかけてください。諸先輩方からリジッドラックをかけないことで生じた事故の話をよく聞きせていただきますが、身の毛がよだちます。趣味は、安全確保をして初めて楽しめるものだと思います。
『命懸けずに、ウマ掛けよう!』


④ KTC カップ型オイルフィルターレンチ AVSA-086
→レンチとフィルターケースかじって外れなくなるのはイヤですので、私は信頼のKTC製品を使用しています。私のモデルはAVSA-086で適合しましたが、ご購入の前に適合をご確認ください。


⑤ トルクレンチ (差込角9.5sq) 
→トルクレンチは、デジタル式のものよりも、機械式のもののほうが規定トルクに達した時にクリック感がしっかりと手に伝わり、トルク管理しやすいように思います (評価やレビューでも、機械式を推すものが多いように思います)。
 20-100 Nm、40-280 Nmのレンジをカバーする2本があれば、エンジン整備から足回り整備まで、ひとととおりのトルク管理が可能です。安物ではなく、トルク校正のされた信頼の東日製作所の製品をおすすめします。

⑦ オイルフィルター Mann社製 HU816x
→私はいつも、ドイツのメーカーであるMann社のフィルターを使用しています。


 

 

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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