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お気に入りの「定番」品

愛用の定番品

 定番だとか定番品だとか、巷でしょっちゅう耳にする言葉です。
 が、言葉の意味はさまざま、各人が何気なく、思い思いの定義で使う言葉のひとつだと思います。

 辞書によれば「定番」にはいくつかの意味があるようですが、ここで使いたい意味合いとしては「(安定した需要があり、台帳の商品番号が固定しているところから)流行に左右されない基本的な商品。定番商品。」(デジタル大辞泉から引用)が最も近いようです。
 ただし、上記は「販売者側から見た」定番の定義のように思えます。ある一つの分野の製品において、例えば鉛筆としましょう、それをデザイン・製造・販売するメーカーが多数存在し各メーカーがそれぞれ「定番」品を持っている場合を考えましょう。古くから愛されている定番品の一例として、

  • 三菱鉛筆社  鉛筆9800
  • 三菱鉛筆社 鉛筆Hi-UNI
  • トンボ鉛筆社 鉛筆MONO 100
  • トンボ鉛筆社 鉛筆8900
  • ステッドラー社 マルス・ルモグラフ
  • ファーバーカステル社 カステル9000

等々が挙げられます。

 「鉛筆なんてこだわらない、なんでもいいぜ!」という方ももちろんいらっしゃいますが、せっかく書くなら気持ちよく、と考える方は、様々な定番品を渡り歩き、あまたある定番品の中から一製品だけを「自分にとっての」定番品として選定し、それを永く愛用することになるでしょう。

 鉛筆を例にとりましたが、他にどんなものが「自分にとっての」定番品となり得るのでしょうか?逆に、定番品になり得ないものから考えましょう。

 まず、今もって日進月歩を繰り返しているもの、つまり未だ発展途上にあのるものは定番品にはなり得ないでしょう。こうしたものはどんどんモデルチェンジを繰り返し機能を向上させていく一方、旧モデルは次々と廃番となるため、お気に入りの旧モデルを再び購入しようにももはや (新品では)入手できません。つまり、「自分にとっての」定番品として長く愛用し続けることができない。
 典型的に、多くの家電製品がこれに該当するでしょう。テレビ、スマホ、パソコン等々、これらは四半期毎のペースで常に新製品が投入され、最新でないすべてのモデルは旧モデルとして廃番の順番待ちです。

 その一方で、機械製品、実用品等々の中には日進月歩のフェーズをとうの昔に終え、すでに一定の完成形、つまり今後大きく変わることはないであろう形を持つものも多くあります。これらの多くは修理がきき、また同じモデルが同じ形で生産・販売され続けるため、例えば数十年間愛用していた品が壊れてしまったとしても、修理をするか新しいものを購入するかで愛用を続けることができます。
 こうした製品群にあっても、中には新モデルが投入されることもあるでしょう。しかし、こうした製品群の場合、新モデルの登場は単に種類が一つ増えたというだけであって、新モデルの登場によって今まで愛用していたモデルが旧モデルに落ち、いずれ消えてしまう、ということはありません。新モデルと旧モデルが同じだけの存在価値を持ち、仲良く共存を続けるのです。

 例えば、機械式の時計などその一例でしょう。
 機構としては、旧来からの機械式に加え、1999年にセイコーがスプリングドライブなる機械式とクォーツ式を融合させた新機構を世に送り出しましたが、それは単に新たな選択肢が増えたというだけであって、その登場によって旧来の機械式時計の価値が転落してしまったというようなことなどありません。むしろ、旧来の機械式時計はスプリングドライブの登場を、「さ~さ~お立合い!、新参者のお手並み拝見!」とばかりに、冷ややかに見守っていたのかもしれません。
 また、老舗メーカーの機械式時計を定期的にオーバーホールをしながら使用する限り、少なくとも自分の代で寿命を迎えてしまうことはなく、世代を超えて愛用することすら可能なものも多いのです。

 調理道具についても、同じことが言えるでしょう。
 料理店で古くから使われているような雪平等のアルミや銅製の鍋、鉄製のフライパン、銅製で表面に錫で覆った卵焼き機、包丁等々は、老舗の製品を選択する限り、修理を続けて永く使うことを前提に作られていますし、ついに寿命を迎えてしまったとしても全く同じ製品の新品を購入することができます。

 冒頭に鉛筆の例を示した、文房具についても同じでしょう。
 老舗の万年筆など、イヤーモデルのような限定品を売り出すことがあったとしても、ベーシックなモデルにとって代わることなどなく、カタログの内容は何十年も変わることはありません。
 鉛筆や消しゴムも然り。毎年変わる子供向けのキャラクターものなどを別とすれば、鉛筆や消しゴムの定番品は私が生まれる前から世に存在し、私が死んだ後をも存在し続けるでしょう。一本一本の鉛筆は消耗品に過ぎませんが、使い切ってしまえばまた同じ鉛筆を手に入れることができますし、世代を超えて、私の子供やその子供も同じ製品を使うことができるのです。

 このコーナーでは、こうした定番品のうち、いろいろと渡り歩いた末に気に入った、「私にとっての」定番品を思いつくままにご紹介していきます。

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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