Kindle書籍刊行のお知らせ


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京都 開化堂の銅製茶筒 

愛用の定番品

 使い込むほどに味を増す、あるいは手足に馴染んでいくような道具類が大好きです。

 そういう意味では電化製品にはほとんど興味はなく(使えればいい)、機械類、革製品、金属製品 (刃物など)に強い興味を示します。私の父親も全く同じ志向ですが、たまたま同じ志向だったというわけではなく、父親のそういう部分が後天的に遺伝したのだと思います。

 なんの機会だったかは忘れてしまいましたが、あるとき父親がいろいろな方に京都 開化堂の銅製の茶筒を配ってまわっていたことがありました。私もそのおこぼれにあずかったのですが、その時の言は、
「この茶筒は工作精度が高く、蓋を乗せればその重みだけでゆっくりと閉まっていく。そして毎日表面を触って手の脂をのせていくことで、10年もすれば実に深い妙味がでてくる。」
でした。
(追記:母親の葬儀の際、多額の香典をいただいた方へのお返しにしたということが、あとになってわかりました。2001年のことでしたから、もう20年も前のことです。)

 私は家で緑茶を飲みませんので、筒にはコーヒー粉をいれ、毎日使っていました。最初はペタペタペタペタと、ことあるごとに手で触れていましたが、ちょっとやそっとで味が出てくるものではなく、そのうち飽きてしまいました。ただのコーヒー粉入れとして、実用品以上の価値を見出すことのないまま、小10年が過ぎました。

 美を見出すことなく、ヘタをすれば緑青(ろくしょう; 緑色をした、銅の錆)が噴いてきたその表面を「ちょっと汚ならしいな・・・」とすら思っていたのですが、心斎橋の大丸で大衝撃を受けました!

 いい雪平鍋が欲しいなと、大丸でたまたま見付けた木屋に立ち寄ったところ、実に渋い妙味を放つ茶筒が目に飛び込んできました!!
 ええ、イッパツでわかりましたとも。それが大事に大事に可愛がられてきた銅製の茶筒であることは。

 店員の説明により、
① 銅製の茶筒の名店は京都の開化堂と東京の東屋の2店であり、展示品は東屋のものであること、
② どちらも純銅製であり、可愛がることで同種の妙味を放つようになること、
② ずっと可愛がっていることが理想であるが、途中愛情を失っても、再び手をかけることで美しく育つこと、
がわかりました。

 急いで家に帰り、件の茶筒を取り出します。
 「うぉっっ、キッタネ~~~」

 大丸でみたものと同じとは思えない惨状が、そこにありました。
 さっそくタオルを引っ張り出し、優しくも、白いタオルが緑になるほど執拗に表面をこすりました。その後もだいたい毎日、少しずつ磨いていくと、ようやくこれくらいの美しさを取り戻しました。

 大丸でみた東屋の茶筒は均一に色が変わっていたのに対し、私の茶筒には色味にむらが生じています。台所で使っていたのでところどころに油が付着し、油の付着した部分とそうでない部分とで色味に差が生じたのでしょう。油が付着するのは致し方ないとして、これからはしょっちゅう磨くことで表面の油分も落とし、均一に色味が変化するよう導くことにしましょう。

 さて、次の10年後の変化を胸に、毎日せっせと使い込むことにしましょうか。

 ちなみに、こちらが開化堂のホームページに掲載されていた、銅製茶筒の経年変化図です。左が新品、右が10年物となります。綺麗に、色が変化しています。

 銅ばかりでなく、さらに変色に時間のかかる真鍮やブリキの茶筒もあるようです。ブリキが黒く変色するまでに、40年か~!今すぐ買えば、間に合うかな(笑)。

 開化堂の真鍮茶筒は、こちらから入手できます。こちらの製品、楽天市場でも賞を取るほど人気のようです。



 東屋のホームページは、こちらです。東屋は茶筒の専業メーカーではなく、広く台所用品の製造・販売もされているようです。どれも魅力的ですね!

 銅製の茶筒は、東屋のものがこちらから入手できます。



 いずれにしろ、長く愛用し、愛着のわく逸品に育て上げたいですね。

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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愛用の定番品
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