Kindle書籍刊行のお知らせ


ドイツ車のDIYメンテナンスについて、書籍にまとめました。本ブログで紹介している具体的なメンテナンス方法に留まらず、ドイツ車の思想、整備のポイントをまとめ、メンテナンスに必要な工具類の紹介、部品調達の実例紹介、メンテナンス対象の油脂類や部品の劣化メカニズムまでを紹介しています。

kindle unlimitedで無料ダウンロードしてご覧ください。

詳細はこちら

BMW R1250GSのファイナルドライブギヤオイル交換

修理・点検・メンテナンス

 BMW R1250GSは自動車と同様のシャフトドライブ駆動で、チェーンが存在しません。

 したがって、雨の乗車後や1,000㎞走行毎といった高頻度でのチェーンメンテナンス、またチェーンのテンション調整等は不要で、チェーン駆動車と比べれば、さながらメンテナンスフリーに近い状況です。

 ただし、完全なメンテナンスフリーではなく、20,000km走行毎のファイナルドライブオイル交換は必要です (新車購入時の初回のみ、1,000km走行後の交換が必要)。

 私のマシンの走行距離は20,000kmに達してはいませんでしたが、少し早めの交換を行うことにしました。

 用意したギアオイルは、こちらです。
 このオイルも、ほかの物品同様にamazonが最も安いようでした。

 純正指定のオイルではありませんが、粘度や品質レベルは同等で、ほかのGS乗りの方々も愛用されているMade in Japanのギアオイルです。

 缶には4輪用とありますが、ファイナルドライブギヤオイルに関しては構造上問題ありません。
 オイルで4輪用と2輪用をきっちりと使い分けなければならないのは、エンジンオイルです。4輪用とは異なり、2輪用はエンジンオイルのほかミッションオイル、クラッチオイル等も兼ねますので、それに適した添加剤が加えられ、性能付与されています。

 さて、交換しましょう

 まず、3本のヘキサロビュラネジを外し、マッドガードを取り外します。
 (しかし、キッタナイな・・・。泥や砂の侵入を防ぐためにも、本来は先に洗車すべきですね。反省。)

  ただし、ホースを使ってギヤオイルを交換する場合は、この作業は不要です。私は100均の食用ボトルを準備していたのですが、ボトルのノズルとマッドガードが干渉するため、外さざるを得ませんでした。次回からはこのボトルのノズルにホースを装着すれば、マッドガードの脱着の手間が省けるでしょう。

 そして、フィラーボルト(ヘックス5mm)を緩めます。

 これは油脂関連のメンテナンスの基本ですが、ドレンとフィラーのあるデバイスから油脂を抜く際は、必ず先にフィラーボルトを緩めてください。ドレンボルトを先に緩めてオイルを排出してしまった後に、フィラーボルトが固着して緩まない、なんてことになると、もう手の打ちようがありませんので。

 続いてドレンボルト(ヘキサロビュラT45)を緩めてオイルを排出するのですが、その前に、必ず周囲、特にブレーキディスクローターを養生してください。

 フィラーには銅の、ドレンにはゴムのシールが使用されていますが、今回はこのまま再使用します。

 ドレンボルトにはマグネットが装着されており、オイル中の鉄粉をキャッチします。

 キャッチされた鉄粉を綿棒でほじりだすと・・・。

 結構な量ですね。でもまあ、このギヤの役割を考えれば、こんなものでしょう。

 抜いたオイルと新油の比較をします。

 噂通り、とんでもなく汚れていたのと、また鼻がひん曲がるような臭さでした。

 ギヤオイルには極圧性を高めるために硫黄系の添加剤が添加されており、これが劣化するとこのイヤなにおいを発するようです。

 そういえば、クルマのデフオイルも汚れ、臭いともにひどいものでした。

 ギヤオイルの規定量は、180mlです。

 ドレンボルトを締めたのち、フィラーからこのオイルを注入し、フィラーボルトを締めてギヤオイル交換完了です。

 1L のオイルを購入しましたが、使用したのは1/5以下。

 ギヤオイルは高負荷にさらされるものですし、残ったオイルを長期間放置するのもなんですし、交換にほとんど手間がかかりませんしで、なにも20,000kmといわず、5,000km走行毎に交換するのもありですね。

 簡単ですが、愛車の調子を保つために重要なメンテナンスでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました