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「用の美」を静かに放つ民芸の逸品を大阪日本民芸館で愉しむ -大阪府吹田市 万博公園内-

博物館・美術館
2021.09. 大阪民芸博物館

 「民藝」について初めて知ったのは、いまから4、5年前、岩手県花巻博物館で及川全三の手による「ホームスパン」の企画展でした。
(下記画像は「花巻市博物館だより No. 52」にリンクしており、ホームスパンの概要を知ることができます)

 

 この「民藝」なる言葉は、大正15年に柳宗悦・河井寛次郎・浜田庄司らによって提唱された生活文化運動「民藝運動」に因んだもので、 「民衆的工芸」の略語 だそうです。

 柳たちは名も無き職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝(民衆的工芸)」と名付け、その美しさが美術品に劣らないばかりか、美は生活の中にこそあるとも唱えました。そして、各地の風土から生まれ、生活に根ざした民藝には、用に則した「健全な美」が宿っていると、新しい「美の見方」や「美の価値観」を提示したのです。

 民藝はそもそもが生活道具ですから、それがカバーする範囲は多岐にわたり、陶磁器、織物、染物、木漆工、絵画、金工、石工、竹工、紙工、革工、硝子、彫刻、編組品などがその範疇に入ります。

 民藝運動が始まった当初は下手物 (ゲテモノ; 一品製作による上手の物に対し、多量に生産される普通の民衆の日用雑器の類)なぞと蔑称されたようですが、今ではすっかり市民権を得たように思います。

 この民藝を取集、保管する西の拠点が、ここ大阪日本民芸館だそうです。このほかの拠点の一覧は、こちらに。結構たくさんあるのですね。

 ここ大阪日本民芸館、訪れたこの日は秋季特別展として「型絵染 三代澤本寿 (MOTOJU MIYOSAWA)」が開催されていました。会期は2021年9月4日から同12月14日までです 。

 館内は撮影禁止でしたので展示物の概要はパンフレットから想像いただくしかありませんが、「これぞ民藝」といった、心落ち着く温かさが作品中に溢れていました。

 彼の作品のモチーフは日本国内に留まらず、東欧や中東、アジア各国に亘りますが、私は東欧や中東をモチーフにした作品にも心惹かれました。

 特別展の期間中、全館内は彼の手になる型絵染作品で占められます。大阪日本民芸館と民藝の概要が添えられた作品リストを、ここに示します。

 作品リストをご覧いただければお分かりの通り、製作年代不詳や個人蔵の文字が並んでいます。これが民芸の民芸たるゆえんで、作者も後世にまで残そうとイキって一品物として製作したわけでもなく、また持ち主の方も収蔵しているというよりは日用使いのなかでその「用の美」を愉しまれているのでしょう。

 なお、民芸館の入口にはこのような民芸ショップも併設されています。購入はしませんでしたが (←現地で買いたい派なので(笑))、私の好きな浄法寺塗や安比塗の漆器 (いずれも、岩手県の民芸)も販売されていました。

 民藝の魅力をいっぱいに楽しんだところで、せっかくですから万博公園内を散策してみましょう。

 おっとその前に、こちらで入手した企画展のパンフレットを。

 

 柳宗悦の提唱により始まった民藝運動もはや100年、在野の生活の中で光る用の美を追求すれど、やはりよいものはよい、ということでしょうか。収集品がついに、東京国立近代美術館の企画展で展示されるようです。 柳宗悦らの発起人達は草葉の陰で、この事態を「民藝の昇華」と捉え悦ぶのでしょうか、あるいは「民藝の堕落」と捉え悲しむのでしょうか。

 東京かぁ。新幹線で月に何度も出かけてたけど、もうしばらく行ってないな~。この企画展が開催されているうちに訪れることはできるのでしょうか。

 さて、散策!

 万博公園といえば、まずはこれですね!

 岡本太郎氏による、太陽の塔。正面だけでなく、裏からの眺めもよいですよ!正面は太陽、裏は月を模したのでしょうね。実はこの塔、内部にも彼の世界観が拡がっているようです。耐震性の影響?とかで、常時展示されているわけではないようですが。機会があれば、ぜひ見学したいものです。

 太陽の塔の周辺には、黒山の人だかりが (ご高齢の方が多く、白山の人だかり、かもしれません)。皆さん、とても高価そうな超望遠レンズを装着したカメラをお持ちです。装備からすれば鳥の撮影でしょうが、なにを撮影されているのかお聞きすると、「やつがしら」なる鳥を撮影されているようです。ギャラリースコープを持っていたのでそれで捉えようとしましたが、倍率が全然足りませんでした。私の愛用するギャラリースコープの紹介は、以下をご参照ください。

 園内の、催し物表示です。

 今回ご紹介した三代澤本寿特別展のポスターは、上記掲載した配布版よりもこちらの展示版の方がずっとステキに思います。

 プレイバック1970は、こちらのパビリオンで絶賛開催中です。立ち寄りたかったのですが、時間が足りませんでした。また次回の楽しみに取っておきましょう。

 このパビリオンには、1970年当時の「ナウい!」が満載なのでしょう。

 ちなみに、昭和40年代オヤジの一員である私にとってのナウい!は、やっぱりこれ!!

 これは今年7月末に訪れた大阪府堺市の自転車博物館サイクルセンターで撮影したものです。心揺さぶられるものがありますね~(笑)。

 ご存知の方も多いかもしれませんが・・・。こんなステキな本も出版されているのですよ!!



 ブログの更新がゼンゼン追いついていませんが、自転車博物館についてはまたの機会にご紹介します。

 

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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