大阪府堺市のシンボル仁徳天皇陵の付近に、「自転車博物館サイクルセンター」という、国内でも珍しい自転車博物館がありました。
この博物館が移転、リニューアルしたと聞き、訪問しました。
リニューアルした博物館の名は、スポンサーであるシマノ社の名を冠した、「シマノ自転車博物館」です。
存じの方も多いかと思いますが、シマノ社は釣具や自転車のメーカーとして、世界中
に知られた会社です。
堺市は鉄砲伝来の街、刃物の街として著名ですが、こうした金属の加工技術が、明治時代に日本にやってきた自転車の修理やパーツの生産に活かされ、自転車の街としても知られているようです。
(自転車好きの私も、知りませんでした(汗)・・・)
いまは台湾の会社に吸収されたサンツアーも、もとは堺発祥の自転車パーツメーカーでした。
博物館に到着したら、まずは自転車を駐輪します。
自転車好き達が高価な自転車に乗って訪れることが予想されるにもかかわらず、ちょっと心配になってしまうような駐輪場・・・。
気を取り直して、中に入りましょう。
1Fはエントランスで、国や時代を象徴する旧い自転車がいくつも並んでいます。
中には、こんなロイヤルバイシクルも!!
ロイヤルバイシクルは2Fにも展示がありますが、天皇家に自転車を献上するということは堺市にとって一大イベントであり、市を挙げての事業だったそうです。
2台並んだロイヤルバイクは、1959年(昭和34年)に皇太子殿下、つまり今の上皇陛下に献上されたものだそうです。左のマシンには内装式の、右のマシンには外装式のディレイラーが装着されています。まさに、当時の最新鋭マシンだったのでしょう。
(マシンではなく、御料車と呼ばねばならないのかもしれません(汗))
2Fには、この博物館の誇るアーカイブの一部、および自転車の発明から進化の様子が時系列で展示されています。進化の様子は展示だけでなく、映像でも紹介されます。見応えのある、素晴らしい映像でした。
メカ好きの私としては、自転車そのものよりも、ブレーキやディレイラーなど、いわゆるコンポーネント類の進化に興味津々でした。
こちらは、初期の頃の変速機です。
変速すればチェーンにかかるテンションが変化します。現在の変速機はそのテンションの変化をスプリングが吸収しますが、初期のころはスプリングが存在しなかったからか、スプリングは存在したとしてもそれでテンションを調整するという概念がなかったからか、このような手動機構でチェーンのテンションを調整していました。
変速機構そのものも、ずいぶんとプリミティブな感じですね。
同じく初期の頃の変速機。どこをどうやって変速するのか、理解することすら難しい、複雑な機構です(笑)。
3Fには、昭和以降の比較的新しい自転車群、およびコンポーネントの仕組みに関する展示があります。
私が子供の当時、ボロボロではあったけれどまだ現役で使用されていた荷物運搬車(a)、初期のママチャリ(b) そして、当時の我々の羨望のマシン(c)。
私の好きなツーリング車では、フランスはエルス社の美しき一台(d) そして私が中学生の頃一世を風靡したロードマン(e) 移転前の博物館にも堂々展示されていた、いつ見ても迫力のあるキャンピング(f)。
4Fには、コンポーネント単体の展示と、資料室があります。
初期から最新までの、シマノ社トップモデルのデュラエースの変遷。
そして、かつての私も持っていた本の数々。
いや、懐かしい~!
日本で唯一の自転車博物館、なかなか見応えがあります!
近くに来られた際は、ぜひお立ち寄りください!!
今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!
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