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滋賀県立琵琶湖博物館 (滋賀県草津市) -堂々リニューアル!-

博物館・美術館
2020.10 琵琶湖博物館。私の大好きな展示物のひとつ。

 こちらでも述べましたが、滋賀県立琵琶湖博物館は私の最も好きな博物館のひとつです。年間パスを購入し、しょっちゅう訪れていた時期もありました。

 かなりの久方ぶりに (3年ぶりくらいでしょうか)訪れた私が目にしたものは・・・

 そんなことは露知らず、訪れたのは10月3日。博物館の入り口はシッカリと閉ざされていました!

 そして、再々訪はリニューアルオープン2日目の10月11日。
 ええ、今回は訪問前にホームページをシッカリとチェックしました。すると、入場者数を制限し密集状態を避けるためでしょう、ネットを通じた事前の入場予約が必要であることがわかりました。ただし、リニューアルオープン2日後であっても直後の時間帯を除けば100名単位で空きがある様でしたので、予約のことを知らずに訪れたら入れなかった、ということはなさそうです。どうぞご安心ください

 リニューアル前の琵琶湖博物館には、私のお気に入りのポイントがたくさんありました。リニューアルによりコンセプトが一新され、それらのポイントが消えてしまっていたら淋しいな、と、期待半分、不安半分の気持ちで入館しました。

 結論からお話ししますと、コンセプトの変更はほとんどなく、私の好きなポイントはすべて残されていました。古くなった展示品やケース、説明カードを新調し、より見やすいレイアウトに変更した、というのが今回のリニューアルの内容でした

 リニューアル前と同様、展示室は大きく4つに分かれています。うち2つは最初に入場した建物の2Fにふたつ、残り2つは渡り廊下を渡った先の建物の1Fと2Fにひとつづつ。

 最初の展示室 (展示室A)は、400万年の歴史を持つ古代湖 琵琶湖の自然と生い立ちを展示したもので、数多くの化石資料を用いて古代の琵琶湖の様子を示しています。マンモスや象、ワニ、昔の琵琶湖近辺の森の再現等、大型の展示物が並びます。
 以前の展示では研究室の一角が再現され、観覧者が化石発掘用のハンマーを手にしたり、顕微鏡を覗いたりの体験をすることができました。今回の展示ではこれら機器を1か所にまとめず、A展示室全体にちりばめているのが印象的でした。子供、若者の理系離れが叫ばれて久しいですが、こうしたちょっとしたきっかけから一人でも多くの子供が科学に興味を抱くようになってくれることを切に願います

 次の展示室 (展示室B) は、直近の2万年にフォーカスし近江の自然と人の関わりを展示したものです。龍がナビゲートするという建付けになっていますが、これは以前の展示ではなかった新しい取り組みです。なぜ龍なのか?、近江には雨をもたらす水神である龍の存在が古くから信じられ、神社や寺院に多く祭られていることが示すように、昔の近江人には非常になじみの深い神だったからだそうです。湖底遺跡の発掘の様子に加え、近江の民俗、生活、湖運について学ぶことができます。以前の展示で目を引いていた丸小舟も、健在でした。

展示をナビゲートする龍
神を祭る際に用いる、男女を模した人形。皆様、ご立派で。
展示室Bで目を引く丸小舟

 さて、展示室Bを出て眺めのよい渡り廊下を渡った先が、展示室Cです。ここは、現代の私たちの生活と琵琶湖とのつながり、そしてその周辺に生息する動植物や爬虫類の種類、生態を展示しています。私はこの展示室に2つのお気に入りを持っています。

 一つが、冒頭のアイキャッチにも採用した1960年から2010年までの我々の生活道具や大衆文化(雑誌・雑貨等)を展示したパネル。一番新しい2010年としてもはや10年前。「おおお、懐かしい!」と、とても楽しめます。
 ここでやはり実感するのは、スマホの多機能さ。電卓、ラジオ、電話、カメラ、レコーダー、ミュージックプレイヤー、懐中電灯、カレンダー等々、当時はそれぞれ独立して存在していた高価かつ大型なデバイスの数々が、いまや手のひらにすっぽりと収まるサイズに。なおかつ、当時では考えられなかったインターネットまで実装されています。20年前の人にすら、スマホは夢の道具に映るでしょう。さてこの先20年後、どのような世界が我々を待っているのでしょうか。

1960年から2010年を望む
今では1台のスマホに搭載されているデバイスの数々。昔は各々が独立したデバイスで、しかもそれぞれが相応に高価なものでした。

 もう一つが、滋賀県彦根市に実在した冨江家の昭和39年5月10日の様子を忠実に再現した展示物。不便だったかもしれないけど豊かだったんだな~と、心から思います。将来は、こんなスタイルで田舎暮らしをしたいな。

懐かしい、昭和の生活ですね~
この洗面所兼台所がステキ。下の水路にはコイが泳ぎます。こんなところでの生活、あこがれるな~。

 さあ、最後が水族展示室です。
 ここまでの展示だけで、通常規模の自然博物館1館と民俗/歴史博物館1館の、2館相当の規模、観応えがありました。このうえに、通常規模の水族館1館分の水族展示があるわけです!とってもオトクに思いますが、きっちり観ようとするとかなり疲れますよ~。ここのみどころは、びわこ大なまず、ハートの文様を持つ鰻、種々の国内淡水魚に加え、琵琶湖と同じく古代湖に分類される世界の湖に生息する生物の展示。広々です。

水族展示室への入り口にある水中トンネル
アイドル的存在のバイカルアザラシ
こちらのラボでは、微生物を観察できます

 以上が、琵琶湖博物館の展示場のご紹介です。

 水族展示場を出た先に、学芸員の紹介パネルがあります。
 博物館は研究機関としての一面を持ち、そこでの研究員は学芸員と呼ばれます。学芸員には各人専門分野の深い知識や研究推進力などが求められ、多くの学芸員は博士の学位を持っています。学芸員紹介のパネルを見ると、理学博士、農学博士、歯学博士、文学博士、社会学博士、人間学博士、歴史学博士と、とても幅広い分野の専門家をここ琵琶湖博物館が擁していることがわかります。これらの専門家が学際的に研究を進めた成果の一部がこの博物館の展示なのでしょう。
 私も関わってきたのですが、大学で行われる多くの研究は、特定分野の専門家が一つの研究室に集まり、その分野に特化した研究を進めます。他の分野の方との交流は、(意図して分野を拡げようとしない限り)多くはありません。これはこれで一つの研究のスタイルだと思いますが、この博物館のように文理をまたがる多様な専門性を持った専門家が「琵琶湖の歴史と周辺のくらし、動植物の変遷」といった大きめのテーマを設定し、各専門家が知恵を寄せながら学際的に研究を進めるこのスタイルも、非常にエキサイティングで面白いだろうなと感じました。生まれ変わったら、こんな仕事に挑戦するのも楽しそうだな~(笑)。

賀県立琵琶湖博物館の基本情報
所在地: 滋賀県草津市下物町1091
開館時間・休館日: 10:00-16:30 ・ 月曜日ほか休館
観覧料: 800円 / 1100円 (常設展のみ / 企画展込み)
*2名でご観覧する場合、1名が年間パスポートを購入されるのがよいです。年間パスポートを購入されると(1600円)、1名分の招待券がついてきますので。ただし、招待券で観覧できるのは常設店のみです。
URL: https://www.biwahaku.jp/
駐車場: 無料駐車場あり 
*駐車場は有料との案内がありますが、駐車券を受付で見せると無料券が貰えます。駐車券を必ずお持ちください。
見どころ: すべて

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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