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私と博物館・美術館との関わり

博物館・美術館
2018.06 東京国立博物館。

 博物館、美術館が大好きです。
 これまで、日本各地に留まらず、各国の博物館・美術館を訪れてきました。

 子供の頃、よく親に連れられ博物館を訪れましたが、その当時はつまらなくてつまらなくて、おまけに父親は充分に時間をかけて鑑賞するものですから手持無沙汰で・・・。走ったり騒いだりすれば当然大目玉を喰うわけで、「博物館に行くぞ!」と親に誘われれば、「えーっ!僕は行きたくないよ~」ってなものでした。結局は、博物館のあとに (子供にとって)楽しいイベントを準備してくれていることを確認したうえで、連れ立つことになるのですが。


 「あれ、博物館って楽しいかも??」と初めて思ったのは、大学生として東京に住んでいた時分、何かの拍子で東京国立博物館を訪れた時でした。この時は一人で鑑賞したのですが、日本史の教科書で観たことのある品々の実物を前に、なんだかよくわからないけどすごいオーラが出てるなという感覚を初めて手にしました。当時は大学生の博物館への入館料は非常に安かった*1のと、住んでいた場所が東京国立博物館に近かったことから、暇さえあれば (だいたい暇だったように思います (^^♪)博物館を訪れました。そのうちに、言語化して説明することまではできないにしろ、自分が惹かれる、あるいは自分を惹きつけるものが何であるか、感覚として掴めるようになってきました。つまり、博物館、長い時を経てなお輝き続ける逸品を収納し、その逸品の魅力を最大限に引き出す方法で展示をする場所、に、ハマってしまったわけです。

 一方で、美術館に通うようになったのは、博物館の魅力にハマってからだいぶ後になってのことでした。博物館はその名の通り「博物」全般を対象とするのに対して、美術館はその中の一部である絵画、彫刻、書を対象とします。左記の3つのうち、私が興味を示すのは絵画だけですので (残念なことに、絵画以外の2つの魅力が、まだ私にはわからないのです)、自分がいいなと感じる絵画の展示が少なければあっさりと見終わることになってしまい、とても残念な気持ちを残すことが多かったからかもしれません。
 以来、博物館と名の付く場所には無条件で入場する一方で、美術館については自分の好きなジャンルの絵画の企画展がある場合や、とてつもなく膨大なコレクションを擁し自分がいいなと感じるであろう絵画を展示している可能性が特に高い美術館*2を訪れるチャンスを得た場合に限り入場するようになりました。

2018.02 メトロポリタン美術館 (The Metropolitan Museum of Art; New York)。鑑賞を終えて外に出ると、雪が積もっていました。
2018.02 真冬のボストン美術館 (Museum of Fine Arts, Boston)

 博物館、美術館で並み居るマスターピースを鑑賞して、何を持ち帰るのでしょうか?
 100点以上の展示物を観て、そのすべてを記憶に留めておくことは (少なくとも私には)無理でしょう。私は美術品の研究者や鑑定士ではありませんし、鑑賞した美術品の特徴を他人に伝えることを生業としてるわけでもありません。なので、各美術品の特徴を洗い出しそれを記録に残しておく必要など感じませんし、そんなことをしていたら短時間に数多くの美術品を楽しむことなどできないでしょう。
 私の場合は、興味を惹かないものの前は足早に通り過ぎながら、たまに現れる「はっ!」とさせられるもの、つまり私の好みに合うものの前では立ち止まり、何時間でも心ゆくまで堪能する。そうして、1回の鑑賞で5点ほどを記憶に残し、もう5点ほどを次に同じものを観たときに「そうそう、以前もこれを見て感動したな~」と思い起こせる程度に記憶に引っ掛けておく、この程度で満足することにしています。そして、同じ企画展が再び開催されるときは可能な限り再訪し、記憶に残す、あるいは引っ掛けておく作品を少しずつ増やしていく。こんなスタイルで、私は美術品を楽しんでいます。

 ところで、再生産のきかぬ骨董 (古美術)を生業にし、その業界に蠢く数多くの邪な思惑と対峙してきたプロは流石だな、と唸らせる書籍を紹介します。中島誠之助氏、テレビでは飄々とされていますが、非常なご苦労の上に今のスタイルを築かれた方です。特に、①は読み物としても非常にわくわくする一冊でした。

① ニセモノ師たち (中島誠之助著, 講談社文庫, 2005年)
 →現在は新品を入手できないようです。


②真贋のカチマケ (中島誠之助著, 二見書房, 2014年)


③ ニセモノはなぜ、人を騙すのか? (中島誠之助著, 角川書店, 2007年)
 → Kindle版です。ご注意ください


=====

*1 大学生の博物館への入館料は非常に安かった
 東京国立博物館の場合、常設展であれば確か200~300円で入場できたと思います。ちなみに、2020年10月時点の大学生の常設展観覧料金は500円 (一番最近の観覧料金改定は、2020年4月1日)。思ったよりも高くなっているな・・・。今も昔も、大学生であっても特別展には別料金がかかります。
 海外、特に欧州諸国では、自国の誇りである美術品を鑑賞させることは国民の文化レベル向上につながるとの考えから、国立(王立)の博物館、美術館については大学生はもとより、一般の大人に至るまで観覧料金が無料であることが多い。大英博物館など、あれだけのものを、時間さえ許せば何日でも何回でも無料で感じることができる。我が国も、こういうところにカネを遣ってくれるとありがたいんだけど・・・。
(企画展の開催が、企画の立案から展示物の選定に係る人件費、拝借料、輸送費、保険代、展示手法 (額縁、照明等)検討の人件費からその設置費用まで、非常にコストのかかるものだということは十二分に承知しております。)

+2 膨大なコレクションを擁し自分の琴線に触れる絵画の存在する可能性が特に高い美術館
国内では、大原美術館や出光美術館など。海外では、アメリカのメトロポリタン美術館 (The Metropolitan Museum of Art; New York)やボストン美術館 (Museum of Fine Arts, Boston; Boston)など。そうそう、「ボストン美術館(Boston Museum of Art)への行き方を教えてください」などと質問しても、「ボストンのどの美術館?」と聞き返されますよ。ボストンにはたくさんの美術館、博物館が点在するので、”Boston Museum of Art”ではどの美術館なのか特定できないようです。「ボストン美術館 (Museum of Fine Arts (MFA))」と聞かなければなりません。私はボストン駅から、クルマではなく、古き良きアメリカを偲ばせる (詳しいことは知りませんが(//∇//))列車を乗り継いで向かいました。

日本人による現代画もたくさん。これは、村上隆が2007年に現代風にリメイクした、江戸期の風仙図屏風 (曽我蕭白)の一部。圧巻。
クロード・モネの傑作、ラ・ジャポネーズ。この作品は画集で知っていましたが、こんなに大きなキャンバスに描かれていたことは、実物を見て初めて知りました。
竹田秀雄氏による1978年の作品、Mon Mon (Tattoos) 。

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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