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ドイツ車のDIYメンテナンスについて、書籍にまとめました。本ブログで紹介している具体的なメンテナンス方法に留まらず、ドイツ車の思想、整備のポイントをまとめ、メンテナンスに必要な工具類の紹介、部品調達の実例紹介、メンテナンス対象の油脂類や部品の劣化メカニズムまでを紹介しています。

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古くなったBMW内装パーツを交換する -エアコン吹き出し口、操作スイッチ、ドアインナーハンドル、ガソリンタンクキャップ- (2022.06更新)

修理・点検・メンテナンス

 BMWに限らず、ガイシャの内装パーツはなぜか国産車のそれよりも劣化が著しいようです。

 その理由には、諸説あります。

・環境規制が厳しく、強度や耐久性を重視した材料選択ができないから
・日本の気候と合わないから
・クルマの乗り方そのものが違うから(多くのガイシャは、チョイノリやスタート/ストップを繰り返すような乗り方は想定していません)
・むき出しのプラスチックではなく、高級感を醸すために何某かをコーティングしているから

などなど。

 今回私はいくつかの内装パーツを交換しましたが、上記の最後に示したコーティングの部分的な剥がれでみっともなくなった、というのがそもそもの理由でした。あとは、いくつかドジって交換を余儀なくされた(涙)・・・。

 交換したパーツを、以下に列挙します。

1. フロントエアコン吹き出し口
2. エアコン操作スイッチ

それと、内装ではありませんが、

3. ガソリンタンクキャップ

です。順を追って解説します。

 ブログ記事には各作業の概要を示すのみですが、私の著書にはドイツ車のメンテナンスに対する考え方から工具類の選定、国内外から部品やパーツを安く購入する方法までの全般を網羅的に紹介しております。ぜひ、お手にとってみてください。

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フロントエアコン吹き出し口

 写真を撮らずして旧品を捨ててしまったことが悔やまれますが(←いつものこと・・・)、エアコン吹き出し口の一部のコーティングが剥がれてみっともなくなってしまったのと、プラスチックパーツの一部が割れて操作にコツがいるようになってしまったことから(こんなことにコツなど、要らん(笑))、交換に踏み切りました。

 私は走行や安全に影響を及ぼすようなパーツはすべて純正品か純正OEM品を選択しますが、内装パーツなどは安価な中国製で構わない、と考えてしまう派です。純正品を購入したとて、元をたどれば中国品だということもあるでしょう。であれば、最初から中国製でよか、と、しっかり割り切っています。エアコン吹き出し口なぞ、一切の迷いなく中国製を選択です。

 さて、交換方法です。普段養生などしない私にしては珍しく、エアコンやオーディオ、ナビの操作パネル辺りを養生しています。

  これが大失敗!!みなさん、どんな微粘着のテープであっても、この辺りのパーツにテープを貼ってはいけません!こうやってですね、スイッチの印字が剥がれてしまいますよ(涙)!!エアコンのAUTOを示すダイヤル印字、それからワンタッチ操作スイッチの4の印字が無残に剥がれてしまっていることがわかりますね。

傷付けないように養生したのに、・・・
養生テープのせいで操作スイッチの印字が剥がれてしまいました

 さて、順番が前後してしまいましたが、交換そのものは難しくありません。

 内装はがしなどを利用して、エアコン吹き出し口周辺のコンソールトリムを引き出します。エアコン吹き出しユニットはトリムにトルクスネジで留められていますので、それを外します。その後、赤矢印で示したツメを拡げて吹き出しユニットから吹き出し口を分離します。ツメが多いので、これがなかなか大変。しかしこれから外すというものはもう不要になるものでしょうから、ツメが折れたってかまわない、くらいの気持ちで外せばよいでしょう(笑)。

 吹き出し口の新旧を比較します。左が新、右が旧ですが、旧がぶっ壊れてしまっていること以外の違いがわかりますか?そう、シルバーの装飾の有無です。純正はシルバーの装飾があるのですが、初めて購入した中国品には装飾がなかったのです。そして、その初めて購入した中国品の装着で失敗をしており、そのリカバーをしようとしているうちにぶっ壊してしまい、また購入することになってしまったのです(苦笑)。ええ、今回は装飾ありのものを選択しました(値段は、送料込みでどちらも3000円程度でした)。

 今回2つ目の注意事項は、エアコン吹き出しパーツとして流通しているものにはシルバーの装飾ありとなしがあるということです。

 上記で、「失敗をリカバーしようとしているうちにぶっ壊してしまい」、などと書きましたが、その詳細は次の通り。下の写真の青矢印のツメはルーバーを左右に動かすためのツメなのですが、なんとそのツメをルーバーに引っ掛けることを忘れてしまっていたのです。で、もう一度吹き出し口を分離すべく上に赤矢印で示したツメを拡げて外そうとしたのですが、途中でイライラが爆発し、力ずくでエイヤッ!とやったら、いろいろなところがバキッと壊れてしまったのです。本体に影響はなく、吹き出し口だけが犠牲になったことは救いでしたが・・・(涙)。

 今回3つ目の注意事項は、エアコン吹き出し口を装着の際、ルーバーを動かすツメ(青矢印)を正しくセットすることを忘れてならない、ということです。

シルバーの装飾がある新(左)と、ない旧(右)
青矢印のツメは、必ずルーバーに引っ掛けてください

 「よし、エアコン吹き出し口を交換しよう」と思い立ったのですが、結局中国からの部品の到着を2回も待つことになり、交換が完了したのは秋になった頃でした(笑)。

 今回関わったパーツ群に勢揃い願うこととしましょう。装着されているのは中国製の装飾ありのパーツ。真ん中のは純正品。そして下のは中国製の装飾なしのパーツ。長い道のりでした(苦笑)。

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エアコン操作ダイヤル

 殊勝にも「養生しよう」なんてことを思ってしまったがために剥がれてしまったエアコン操作ダイヤルの印字面。私はエアコンを常にAUTOモードで使っているので、このAUTOなる表示など別に必要ありません。ですので、私のクルマでは大活躍しているカーボンラッピングシートで胡麻化そうと思っていましたが、どうもね、貧乏くさい・・・。
(右側のダイヤル面にだけ、ラッピングシートを貼っています)

 はい、こちらも中国からパーツを取り寄せ、交換することにしましょう。

 交換はカンタンで、面倒な部分もありません。古いスイッチを外し、新しいスイッチを装着するだけです。
(スイッチは、1個1500円ほどでした)

 両方交換すれば、はい、元通り。

 上記、「私のクルマでは大活躍しているカーボンラッピングシート」などと書きましたが、詳細はこちらの記事で紹介しています。

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運転席側ドアインナーハンドル

 はい、この部分です。コーティングが剥がれ、だいぶみすぼらしくなってきました。

 すでに新品を入手(もちろん、中国製です)、交換を待つだけです。

 そう、注意事項はいわずもがな、右ハンドル用と左ハンドル用では部品形状が全く違うので、自分のクルマのハンドル位置に応じたパーツを用意してください。

 

 このパーツを交換するためには、ドアの内張を外さねばなりません。外し方は、こちらの記事をご参照ください。

 内張を外したのち、内張の裏側からインナーハンドルのツメを外し、持ち上げます。

 インナーハンドルに装着されたスイッチ類のコネクターを外し、摘出します。

 インナーハンドルのツメを起こし、スイッチ類を取り外します。取り外したスイッチを、新しいインナーハンドルに移植します。

 あとは、元通りに組付けなおすだけです。

ガソリンタンクキャップ

 ガソリンタンクキャップはプラスチック製のヒモでクルマ本体とつながっていますが、このヒモが切れかかっていました。どうでもいい物なので切ってしまいましたが、どうにも貧乏くさい・・・。

 ということで、新品と交換することにしました。ヒモだけを見つけることができなかったので、ガソリンキャップごと交換してしまいます。これはさすがに、Genuine、つまりBMW純正部品を選択しました。万一精度が悪くガソリンが揮発してしまう、なんてことがあると目も当てられませんので。いつもの如く、ですが、ラトビア共和国の部品商から購入しました。3000円くらいだったと思います。

 

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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コメント

  1. duke より:

    初めまして。
    先日ココを発見して以来勉強させてもらっています。

    F11N52B30Aを中古で買い乗っていますが、12万キロ超えてそろそろ本腰で整備していかないといけない時期に差し掛かりました。bmwに詳しい友達も周りにいないのでこの物理的に整合性のある内容は嬉しい限りです。ようやく辿り着いた感あります。Kindleも工具関連の事が自分にとって非常に有益でした。

    ひとつ質問させてください。
    ガソリンを入れるさいタンクのキャップを捻った瞬間、内圧がかかっていないようで大気解放の減圧音が一切しません。これは異常でしょうか。お返事頂けると幸いです。

    よろしくお願いします。

    • Kei より:

      dukeさん

      コメント、ありがとうございます。
      この頃のBMWは整備に熟練のカンが必要だというようなことはなく、テスターで不具合個所を発見すればあとは部品を入手して交換するだけですので、どんどんチャレンジしてくださいね。

      ご質問のタンクキャップの件ですが、私の車両でも、キャップを開けた時に内圧が解放される「プシュー」という音がしません。
      これは推測ですが、この世代の車両は内圧を用いてガソリンを移送することはなく、電動ポンプで送るため、タンク内に内圧をかけておく必要はない、なので、(不必要な)内圧がかからないようにしている、ということではないでしょうか。タンクそのものもプラスチックで、過剰な圧力に耐えられる構造ではありません。
      そうそう、書いていて思い出しましたが、この車両はタンク内にLow Pressureのポンプが、エンジン付近にHigh Pressureのポンプが装備されています。インジェクターの手前でHigh Pressureポンプで圧力をかける構造で、それ以前には圧力がかからない構造なのかもしれません。

      気になることがあれば、いつでもコメントください。
      わかる範囲で、お返事差し上げます。

      引き続き、よろしくお願いいたします。

      (返信が遅れてしまい、申し訳ありません)

  2. duke より:

    ありがとうございます。
    色々気になる事があるのでまた質問させて頂きます。

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